もし俺が好きって言ったらどうする？[佐野玲於]

そわそわ ページ38

.







A「機械触りたいなぁ。」




ふと、ひとりごとが漏れた。



目の前にはパソコンの画面が広がる。




今日は、ジェネトークの収録が無い日。



いつも金沢さんに付いていかせてもらってる他の番組の収録も少なく、ほとんど事務職で１日が終わりそう。




A「なんか、そわそわする。」




就職してから今まで、これほどにスタジオに行かない日は初めてで。



機械触らないくらいで、こんなに落ち着かないとは。



私も、結構な依存性だな。


機械オタクとか言われるかな？




A「それは嫌だなー。」



金沢「さっきから何言ってんだ？」




一部始終を見ていた金沢が笑いながら聞いてきた。




A「収録がないと落ち着かないみたいです。機械触りたい。」



金沢「収録かぁ。事務職より何倍も楽しいよな。俺も収録行きたい。」



A「やっぱりみんな思うんですね。」




金沢さんと話したあと、再びパソコンに目を向ける。


画面の端の時計を見ると、18時35分



やらなくちゃいけない仕事ももう片付いた。




金沢「じゃあ、お先に。」




そう言って、金沢さんは荷物をまとめて自分の席を離れていく。



そろそろ帰ってもいい頃だし、私も帰ろっかな。



心の中でそうつぶやくと、荷物を鞄に入れて、私は自分の席を立った。





.

ばったり→←全力

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す