明日

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浮所サイド


俺はなんでここにいるんだろう…

そう思ったのはここに来て、
1時間経ったくらいの時だった。



位置を確認してるみたいでみんな一旦止まってた。

曲が始まる。


振「龍我ー、ここはもうちょい中に入って」


知らない人の名前、
周りを見渡せば知らない人ばかり。



俺はみんなが何をしてるかもわからない。

立ち止まるしかなかった。


振「どうしたー？」


曲が止められて、みんながこっちを見た。


浮「龍我ってだれですか？」


分からなかったら聞いて、
そう誰かに言ってもらった気がする。

いつ、誰に聞いたかはわからないけど。



雰囲気が悪くなって、
みんな悲しそうな顔をしたあとに近づいてきた。


浮「いやだっこないでっ」


近くにいた女のスタッフさんが近づいてくる。

もう立ってられなかった。

やだ…

こないで…



頭の中で、長い髪の女の人が俺の名前を呼んでいた。

「飛貴くん、飛貴くん」って。

「飛貴くん、今日もかっこいいね」って。

お願いだから、近づかないで。



浮「やめてっ…来ないで…」


ﾏﾈ「浮所！大丈夫か！」


いつものマネージャーさんが部屋に入って、
俺のとこに走ってきてくれた。


浮「こわい…知らない人ばっか…」


やっと言えたけど、手足が震えて立てなかった。


ﾏﾈ「ちょっと別の部屋行こう」


俺はマネージャーさんに支えられて、
別の部屋に行った。



その部屋でマネージャーさんは俺に質問をした。


ﾏﾈ「どうした？なんであんな怖くなっちゃった？」


浮「最初は…知らない人たちが近づいてきて、そしたら……女の人がっ」


ﾏﾈ「もう大丈夫だから。女の人って、どんな？」


浮「髪が長くて、巻いてて…何度も名前を呼ばれて…今日もかっこいいねって…いわれてっ」


ﾏﾈ「大丈夫、大丈夫。その人はもう帰ったから。今いるのは、ストレートでショートヘアのこの人だよ」


マネージャーさんがスマホで表示した写真は、
ショートヘアの女の人だった。

さっきのは…


ﾏﾈ「ちょっとだけ覗いてみよ。髪が長くて巻いてる人はもういないから」


マネージャーさんの言う通りだった。

さっきの部屋を覗くと、そんな人いなかった。



いつものメンバーと振付師さん。

…あれ？

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