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いただきます、と意外と礼儀正しい双子に軽く会釈を返しながら、私は隣の治くんを盗み見る。私たちの間には、クッション一個分ほどの空間がある。この近さならぎりぎり耐えられそうだ。
コーヒーをゆっくりと嚥下する治くん。ああ、かっこいい。私は彼ののどぼとけと横顔が好きだ。他にも好きなところ、いっぱいあるけどね。
「どや、眠気醒めたか？」
「んー……多分？」
ぱちぱちと瞬きする、そのまつ毛の整っていること。というかなんだ、その会話から察するに治くんは眠かったからコーヒーを選んだのか。口数が少なかったのも、ミルクと砂糖に目をくれなかったのも、そのせいなのかな。なんだそれ。可愛い。
「……好き」
「ん？ なんて」
思わず零れ落ちた一言はひどく掠れていて、隣の治くんにも聞き取れなかったらしい。慌てて何でもないよ、とスマホに打ち込む。
というか、近い近い。聞き取りやすいようにという配慮なのだろうが、これ以上の近さには耐えられない。さりげなく距離を取ろうとすると、腕を掴まれた。あれ、デジャブ。
「俺もすきやで」
動揺して縺れる指で、なんで分かったのと入力する。なんとなく、って、宮兄弟は読心術でも使えるんだろうか。
「せやから付き」
「俺の目の前でイチャつかんとってくれます〜？」
「なんや侑、邪魔すんなや」
「邪魔はこっちのセリフや、空気読めや！」
ギャーギャーと喧嘩を始める双子を見て、トムとジェリーを連想した。そう言えば、入学してすぐに稲荷崎の名物とか言われてたなあ。
やがて、そこにミスター無表情こと角名くんと、ツッコミに苦労する銀島くんも加わって。なんていうか、面白いひとばかりだ。
そんな風にバレー部について思いを馳せる。二人の喧嘩は収まる様子がなく、寧ろヒートアップしていた。慣れていない人に見られたら警察を呼ばれそうな勢いだ。
……あ、そうだ。ぱんぱんと手を叩くと、二人が同じタイミングで振り向いた。邪魔すんなやという顔だ。
『もらい物のプリンあるんだけど、食べる？』
さっきまでの表情が嘘のように、仲よく「食う！」と声を揃える。結局、双子はプリンを手に機嫌よく帰っていった。
宮兄弟は食べ物で釣るのが有効らしい。そんな教訓は置いといて、プリントを埋めてしまおう。
「お大事に。治」。ふと目についたプリントの端のそんな文字に、頭を抱えたのは言うまでもない。好きになっちゃうでしょ。もうとっくにそうだけど！
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さかき(プロフ) - mimiさん» 話数的にあと一話だけなら書けそうです。内容によっては私に向いてないかもしれないんですけど、もしよかったらリクエストとかありますか？あるようでしたらボード？にお願いします (2019年9月19日 7時) (
レス) id: 8018115b1b (このIDを非表示/違反報告)
mimi(プロフ) - 初コメ失礼します。きついです、この作品まだまだ続いて欲しいです…（ ; ; ）本当に2人とも可愛くて… (2019年9月19日 2時) (レス) id: 4447061f23 (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - 瑞稀さん» やったー！好きとか可愛いとか言って貰えて嬉しいです！治は甘え上手なイメージがあります笑番外編も楽しんで貰えたら幸いです！ (2019年9月18日 23時) (レス) id: 8018115b1b (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - あぁぁぁ！！！めっちゃくちゃ好きです！！！番外編も嬉しいですありがとうございます！！治くん甘えた可愛すぎて… (2019年9月18日 18時) (レス) id: be8945b53e (このIDを非表示/違反報告)
さかき(プロフ) - まゆ。さん» おつありです！満足いただけたでしょうか。治で書くかどうかは分かりませんが、書きたいネタはいっぱいあって私自身ワクワクしてるので、よかったらまた読んでやってください！お粗末さまでした！ (2019年9月18日 16時) (レス) id: cb48af79f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかき | 作成日時：2019年8月9日 17時
