【 BL 】天狗の花嫁。【名前変換オリジナル】

EIGHT ページ10

「まさか、夢だとか思ってる？

安心せーや、夢やないで、たっぷり愛してやったわ。」

後ろから抱き締められて、身体を触る人間の姿をした鬼怒。
瞬間的に殴った。
そして、自分のベッドの毛布を身体に巻きつける。

『さっ、触るな！！』

全部夢だったと期待していた。

「いたた…そない怒らんくてええやん。…一応助けたんやで。

少しぐらいご褒美もらってもええやろ。」

『じ、充分…えっちなことしたし、俺の裸見た。』

恥ずかしいどころではない。俺は男だ、男にあんなことされて、もう訳がわからない。

「まぁ、正直えろかったわ。
…お陰様で下の天狗も元気で大変やったんやで。」

下…？…子供かなんかの話？なんでいきなり。
俺は、首をかしげた。

「本当、純粋やな。ほんまに思春期の高２男子なん？」

『そうだけど。』

「結婚せえへん？」

『……しない。』

なんだよ、唐突に。
鬼怒はガラの悪い顔を少し緩ませ笑った。

「今、一瞬考えたやろ！！可能性ゼロじゃないんやな！よかったわ〜。」

馬鹿じゃないの。男同士なんか結婚できるわけないだろ。
なんで、俺なんかがなんでそんなに欲しいのかわからない。変な奴。

……今更だけど一応、助けてくれたことお礼した方がいいのか。

『鬼怒っ、…。』

「おっ、どーしたん。」

腑に落ちない。

『ありがと。』

「……アカン、また元気になるわ。」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『ふ、ぅ…も、ぃやだ…。』

「泣いとるんか。もう少し頑張ってな。」

痛い、もうやだ。

『ぁ、う…痛い…。』

「Aに何してるんだ！！」

突然ドアが開いたと思ったら、超震えた父さんが立っていた。

『と、父さん…玉ねぎ…いだい…。』

「あれ…君は…狗島くん…？」

「んー？あ、お久しぶりです〜Aのおとーさん。」

……

関西弁は…!?

つか、何…？友達？




「そんなに痛かったん？治してあげよか？」

『…いやだ。変なことするから。』

「いやぁ〜、狗島くんがAの高校に転勤か！
これで変な虫の心配も要らないな〜。」

父さんは俺の手から包丁奪い取り、俺をソファに座らせた。

『父さん、コイツ変な虫。』

一番危険な奴、心配すべきなの今。

「任せといてください、Aは守りますよ。


変な虫やなくて、優しい旦那さんやろ。」

『絶対父さんは鬼怒と結婚なんて認めない。』

「それはどーやろな？」

随分、自慢気だ。

『俺が嫌だから。』

「恥ずかしがらんでもええよ。」

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