SEVENTEEN ページ20
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鬼怒は職員室でただ一人帰る支度をしていた。すると、白蛇 狂亜が鬼怒の肩に重々しく手を置いた。
「なんや、狂亜せーんせ。」
「先日伝えた今度生徒に配布する紙、終わってるんですか?」
鬼怒はそれを聞いて、今度配布する紙…?、と言葉を溢した。少し、鬼怒は首をかしげ考えた。
そして、ハッとした。文化祭についての紙だ。
全く終わっていないのだ。
「あー、今日やってくるわ。」
「今日印刷するので今終わらせてください。」
文化祭準備期間は短い。遅らせるわけにはいかないのだ。鬼怒は肩を落とした。
「A待たせてんやってぇ。」
「姫なら、生徒と帰りましたが、」
「はぁ!?」
鬼怒は職員室の窓から下を見た。そこには、Aと同じクラスの生徒が一緒に歩いていた。
鬼怒ははぁっ、とため息を零して自分のデスクに戻った。
「ただの人間の生徒です。誰かいるなら問題ないでしょう。
では、終わったら保健室まで来て下さい。
鬼怒先生。」
「あー、わかったわかった。1分で終わらせるわ。」
「絶対適当に終わらせないでくださいね。」
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「じゃ、俺こっちだから。じゃーな。」
『えっ、あ…そっちか。また明日。』
クラス替えから、クラスメイトと帰ることがなく、家がどこにあるかも知らなかった。これは、恐らく鬼怒のせいだ。
一人で大丈夫なのだろうか。Aはクラスメイトの遠くなる背中を見つめた。
何かあれば、また迷惑をかけてしまう。だが、少し我慢すれば家に行ける。
『…やっぱり、鬼怒と帰ればよかったか。』
くるり、と後ろを向き、高校の方へと道を戻っていった。
数十分経った。一行に高校が見えてこない。同じ道をずっと通っているようだった。
『…最悪。』
どうすることも出来ないから、取り敢えず歩き続けた。そのうち、先には道がなく草道が続いていた。
後ろを振り向いても同じ。
流石に助けてもらわないと危ないか、響鬼とか助けてくれるか…?まぁ分からないけど、早く帰らないと父さん心配するし。
頭の中で響鬼に助けを求めた。
立ち止まって、周りを伺ったが一向に誰かが来る気配はなかった。
『…無条件で助けてくれるんじゃないのかよ。』
諦めて、また歩き始めた。
その先は妖の世界だと知らずに。
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大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» どういたしましてー、いえいえ、これからもよろしくお願いします。 (2019年1月11日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆつき - 理解して下さりありがとうございます!!助かります!!ありがとうございます! (2019年1月11日 8時) (携帯から) (レス) id: ca4204c2d8 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - シュランさん» 初めまして。こちらこそありがとうございます!それはよかったです。はい、少々お待ちくださいな。( ˇωˇ ) (2019年1月10日 10時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
シュラン(プロフ) - 初めましてシュランです。作品を読ませてもらいました。ザックり言うと、最高です。ありがとうございます!文も読みやすくて話も凄く面白いです。次の更新楽しみにしています (2019年1月10日 10時) (レス) id: 567cd1cb99 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» 初めまして、コメントありがとうございます。楽しんで頂けてとても嬉しいです。了解しました。話数を記入しておきます。 (2019年1月10日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大手裏剣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2018年11月25日 23時