ELEVEN ページ13
『心臓がドクッて…。保健室のときか。』
屋上で一人で寝っ転がって呟いた。
そのとき、チャイムが鳴った。昼休みが終わるチャイムだ。
立ち上がって身体を伸ばす。そのとき、強い風に身体が寄ろつき、体勢を崩した。
『っ!?』
嘘だろ、落ちる…!!
気付いた時にはふわりと落ち始めていて、頭が真っ白になった。
もう、さっきまで立っていた屋上が見えた。
キュッと目を閉じた。
そのとき、手をぐっと握られた。そっと目を開くと、初めて見た…頭に雄々しい角が生えた鬼が俺の手を掴んでいた。
「危ないわ!!少しは自分の身が特別なこと自覚しいや!!」
だれかわからないけど怒られてる。謝らないと、
『ぇ…ご、ごめんなさい。』
「そんなに怒ることないよ。これは姫の不注意じゃなくて妖の仕業なんだから。」
俺の周りを羽衣のようなものが囲んで、身体がふわりと浮かんだ。
上を向くと、頭上に優しく微笑む(多分)妖怪が居た。
その妖怪は俺をその羽衣を使って、屋上のベンチに座らせた。
「関係ねぇ、こんな、妖に見られるようなところにわざわざ来ないやろ!!阿呆ちゃうか!?」
『そ、それは…きっ。』
鬼怒が連れてきた、と言おうとすると背後から誰かが来た。
「騒がしいですよ。こんなところでデカイ妖力のぶつけ合いはやめて下さい。姫にも影響が及びます。」
また、妖怪が増えた…?あ、昨日だったか…白衣を着てて白蛇がうにょって絡みついてた人だ。
「…狂亜か。…仕方ねぇな、テメェ気ぃつけろよ。」
『っは、い…。』
白衣の人は俺の前に膝をついて、頭を下げた。それに続いて、さっきの鬼と優しげな妖怪も同じように膝をついた。
「私は、千年前から初代咲ノ宮姫をお守りしております。申し遅れましたが、白蛇 狂亜と申します。どうか、私めと契約を結ばせてはもらえませんか。」
今度は優しげな妖怪がにこりと笑って口を開いた。
「同じく、初代からお世話になっております。私は、人魚の水凛、私と契約を結んで頂けませんか?」
人魚って…足がないんじゃないのか…。でも、さっきの羽衣の周りに水が渦を巻いていた。から、水に関係あるからやっぱり人魚なのか。
「俺も初代から姫を守ってる。見りゃわかる、鬼や。名前は響鬼。俺と契約結んどいたほうが身のためや。」
…
守ってくれるのはありがたい…あんな変態よりこの人達の方がマシだと思う。でも、
キスしなきゃってのが…。
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大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» どういたしましてー、いえいえ、これからもよろしくお願いします。 (2019年1月11日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆつき - 理解して下さりありがとうございます!!助かります!!ありがとうございます! (2019年1月11日 8時) (携帯から) (レス) id: ca4204c2d8 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - シュランさん» 初めまして。こちらこそありがとうございます!それはよかったです。はい、少々お待ちくださいな。( ˇωˇ ) (2019年1月10日 10時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
シュラン(プロフ) - 初めましてシュランです。作品を読ませてもらいました。ザックり言うと、最高です。ありがとうございます!文も読みやすくて話も凄く面白いです。次の更新楽しみにしています (2019年1月10日 10時) (レス) id: 567cd1cb99 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» 初めまして、コメントありがとうございます。楽しんで頂けてとても嬉しいです。了解しました。話数を記入しておきます。 (2019年1月10日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大手裏剣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2018年11月25日 23時