NINE ページ11
「A!もう8時だよ!!父さんもう、行くからな!」
『んぅ…ん………えっ!?』
父さんの声に俺は飛び起き、目覚まし時計を見た。
『…アラームオンにしてなかった……。』
急いで洗面所まで行き、顔を洗って歯を磨く。
飯食べてる暇ないな…。
弁当も作ってないし…、父さんのも作れてない。……昼はコンビニとかで買うかな。
『遅刻とかあの変態に馬鹿にされる…。』
そう思って、急ぎドアを開けた。
『えッ!?』
家の前に、昨日の妖狐が居た。
「姫、俺が送ってやるよ。」
『…だ、大丈夫。』
そう返したら、見て取れるほどショックを受けていた。
なんか申し訳ないな。
『やっぱり…お願い。』
「…!!嗚呼。」
めっちゃ嬉しそうじゃん。顔はかっこいいのにな。
妖狐は俺に手を差し出し、俺は若干恥ずかしかったが握った。すると、勢いよく引き上げられ、なんて言うか…昔の乗り物みたいな感じのに乗せてくれた。
『すご…何これ。』
「霧車だ。まぁ、人間が簡単に乗れるようなものではないからな。」
『そうだな。…あ、昨日はありがと。えっと、名前聞いてなかった。なんだっけ。』
「月詠だ。」
『つくよみ、ね。』
「ああ。着いたぞ。」
早。外を覗けば目の前は校門だった。
『ありがとう。じゃあ、またな。』
乗り物から降りて、校内へ走って行った。
耳にチャイムの音が入る。
鳴り止むまでだ…!!
ギリギリだった。教室のドアをガラッと昨日のように勢いよく開ける。他の生徒がばっと俺を見た。
『間に合った…。』
「なーにが、間に合ったやねん。チャイムなったら遅刻に決まっとるやろ。
桜ノ宮A。昼休み古典準備室来るんやで。」
意外厳しいのかよ。あぁ、二日目から遅刻とかクソだ。
『…鬼。変態。』
「今、全然関係ないことゆーたやろ。」
『言ってないです。』
地獄耳だな。
________
腹減った…財布持ってくるの忘れて購買もダメだった。
こんなとき、なんで古典準備室になんか行かなきゃ…。(遅刻したから)
『失礼しまーす。』
静かに入ると、グッと腕を引かれて壁ドンされた。…今、壁ミシッて聞こえた。
俺、殺される。
「A、月詠と会ったやろ。狐の匂いする、気に喰わんわ。」
あぁ、ヤバイ…。
『…うぅ。』
「え、どうしたん。」
俺が床に座り込むと、ぐううっと腹の虫が鳴った。
『腹減ったぁ……。』
「嘘やろ、可愛いわ。」
何抜かしてんだ、コイツ。
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大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» どういたしましてー、いえいえ、これからもよろしくお願いします。 (2019年1月11日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆつき - 理解して下さりありがとうございます!!助かります!!ありがとうございます! (2019年1月11日 8時) (携帯から) (レス) id: ca4204c2d8 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - シュランさん» 初めまして。こちらこそありがとうございます!それはよかったです。はい、少々お待ちくださいな。( ˇωˇ ) (2019年1月10日 10時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
シュラン(プロフ) - 初めましてシュランです。作品を読ませてもらいました。ザックり言うと、最高です。ありがとうございます!文も読みやすくて話も凄く面白いです。次の更新楽しみにしています (2019年1月10日 10時) (レス) id: 567cd1cb99 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - ゆつきさん» 初めまして、コメントありがとうございます。楽しんで頂けてとても嬉しいです。了解しました。話数を記入しておきます。 (2019年1月10日 9時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大手裏剣 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/oh19years/
作成日時:2018年11月25日 23時