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それから樹は講義にはちゃんと出るようになった。…わりとギリギリでいつも滑り込んでくるけど。
ジェシーくんも「樹最近ちゃんと来るじゃーん！」って褒めてた。
授業中も寝ることなくちゃんと受けてる。…多分聞いてないけど。
私を挟んでジェシーくんと樹が座るけど大体私の髪の毛いじいじしたり、私のルーズリーフに落書きしてきたり、ボーッとしてたり、「ねーねー」って中身のない話話しかけて来たり。
まあ、来てるだけいいからほっとくけど。
「あ、そうだ。大晦日お前何してんの？年越し俺らみんなであそこの神社行こうって言ってんだけどお前も来る？」
講義終えた後、樹とジェシーくんと食堂に向かってる時に樹からのお誘い。
大学の近くにある神社は毎年大晦日から元旦にかけて、出店がたくさん出た年越しのイベントがあるらしい。
「え、いいよ。男の子だけで楽しんできなよ」
「え〜！なんでよ！Aちゃんもおいでよ！」
「きょもとか慎太郎とかがお前誘ってみてよって言ってたし。きょもが喜ぶから予定ねぇなら来いよ」
「……京本くんが？」
なんかお誘いの理由が気になるところではあるけど、かわいいかわいい京本くんが喜ぶなら…行っちゃおうかな。
「…あ、お前の友達も誘ってくればいいじゃん」
「…葵？来るかな…」
「来るだろ。アイツお前のことだいすきじゃん」
葵は一番最初にできた友達。優しくて可愛くて、面倒見がいい。…というのも私のことがだいすきなのは私でもわかるくらいに私に甘い。友達付き合いが苦手な私にとってたった一人の女友達。
去年は葵と年越しの番組観ながら鍋食べて、のんびりして次の日の朝、近くの神社に初詣行ったなあ。
実家に帰るのは明けてからだから今年も葵でも誘って一緒に家でまったり年越ししようかな、と思ってたんだけど…。
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作者名：なち
| 作成日時：2021年9月19日 3時
