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ピンポーンピンポーンピンポーン
「ったく、うるせぇな。…慎太郎来ちゃったんだけど、入れていい？」
「あ、え、待って私帰る！着替える！着替えだけさせて！」
「おっけ、…お前慎太郎うるせぇ！てか来るのはえぇ！ちょっと今A来てるからあと５分待って。」
「え！？Aちゃん！？なんで！？」
「っちょ、おま、うるせぇよ！近所迷惑！とりあえずロック解除すっから部屋の前で待ってて！」
の声をよそに乾燥機にかけてくれてた服を持って寝室で急いで着替える。
「ごめん、大丈夫着替えた！」
「はい、じゃあ帰る前に復唱して。さっきの。」
「…さっきの？」
「俺との約束。」
「え〜なにその約束、やだ」
だって何のためにそんな約束、と思ったら少しムッとした顔で
「…昨日俺、ちゃんと止めたのに勝手に飲んで寝たのは誰だったっけ？」
「………」
「ベッドまで運んであげたのはどこの誰？」
むくれて黙ってたら頬を掴まれてむぎ、ってやられる。
「誰？」
「……田中 樹さんです」
「記憶曖昧なのはどこの誰？」
「……私です」
「…はい、じゃあ復唱してください。…他の？」
「……ずるい」
「ずるくねーよ。…お前、俺だったから良いけど他の男だったらわかんねぇよ？…Aも女の子なんだから」
…何も言えない。
目が覚めた時の知らない天井に動揺して、隣に誰もいないことに安堵した自分を思い出して何も言えない。
「……男の子ん家に上がり込んでお酒は飲みません。…すみませんでした」
「ん、よし。よくできました。てか送ってかなくて平気？」
「大丈夫、昼間だし」
「ん、じゃあ家着いたら連絡して」
謎の条約結ばされて不服だけど、自分の蒔いた種過ぎて飲み込まざるおえない。
靴を履いて玄関のドアを開けると、
「あっ！おはよー！Aちゃん！」
「おはよう…、慎太郎くん元気だね…」
「樹〜、俺との約束わすれてたぁ？」
「忘れてねぇよ！」
「あれ、Aちゃんすっぴん？すっぴんもかわいいねー！」
「そうだった、すっぴんだった…ありがとう。…恥ずかしい」
「お前マジでうるせぇよ！静かにしろ！」
朝からにこにこテンションが高い慎太郎くんともう既にゲンナリしてる樹にまたねって手を振り、家に帰る。
二日酔いないけど、初めてあんな記憶飛んだな…。ワイン、ほどほどにしとこう。
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作者名：なち
| 作成日時：2021年9月19日 3時
