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私、次もう一つ授業あるよ？って言ったらここで待ってる、って言うから一コマ受けてカフェ戻ってきたら本当にスマホいじって待ってた樹。
何気ない会話をしてジェシーくんが働くお店に向かってたら、
ポツ、ポツ、
「わっ、雨！」
「は！？」
突然の豪雨。
天気予報じゃ晴れのち曇りだったのに！
…と思ってたら樹が私の手を掴み走り出した。
コンビニに着いた時にはびしょ濡れ。
「はぁ、疲れた。寒っ、」
「とりあえず一旦傘買って、こっから近いから俺ん家行こ」
頭をプルプルって振って、…犬みたい。
まぁ、この状態でお店に行けないし、まず風邪引くし。
寒すぎて震えてたら傘を買ってきた樹が戻ってきた。
「…一本？」
「すぐそこまでだから一本でいいっしょ」
未だ地面を打ち付けるバケツをひっくり返したような雨に「よしっ、行くべ」と私を片手で抱き寄せてくれる樹にくっついて傘に入る。
少し歩いて着いたマンション。
二人して寒い！しぬ！寒い！寒い！と言いながら走って樹の部屋に入れてもらって、
「ちっと待ってて」
バタバタと靴を脱いで中に入ってった樹に
「とりあえずコレで拭いて、風呂入れ」
とバスタオルを頭からかけられ、バスルームまで案内される。
「えっ、大丈夫だよちゃんと、」
「バカ、こんな冷てぇのに何言ってんだ」
樹がわたしの頬を手の甲でぴと、って触って怖い顔する。
「…風邪引くから。コレ着て。…多分置いてあるモンわかると思うけど、まぁなんかあったら呼んで」
と、あまりにもスムーズにバスルームに押し込まれた私。
髪の毛から水が滴るくらいには雨に濡れて手の感覚ないくらいには体が冷え切ってるので、じゃあ…お言葉に甘えて…
樹もびしょ濡れで風邪ひいちゃう、と思って超特急でお風呂済まして樹の貸してくれたスウェットを着る。…デカ。
リビングのドアを開ければ、一応タオルで拭いたんだろうけど濡れたままの樹がキッチンにいた。
「もう出たの！？お前ちゃんと体あったまった？」
「あったまった。スウェットもありがとう。ねぇ、樹も風邪ひいちゃう、早く入ってきて」
「俺は大丈夫だけどお前に風邪ひかれたら困る。…とりあえず、髪の毛乾かしてコレ飲んで待ってて」
とマグカップに入ったカフェラテを渡される。
「…ママなの？」
「誰がママだよ、パパだわ」
って私の頭小突いてバスルームに行った。
…え、そういうことなの？
樹って時々本当心配性なところ出るな…
……言ったら怒るから言わないけど。…怒られる前に髪の毛乾かそう。
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作者名：なち
| 作成日時：2021年9月19日 3時
