サイレント・クンツァイト (ページ15)

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で、結局悩んだ末に葵とジェシーくんが食いついて、私まで買ってもらったのは

「…A、お前何ソレ」
「…ジェシーくんが買ってくれたの」
「ジェシーなに買い与えて、……なんだアイツら」

…ピカピカ光るキャンディのステッキ。
吹き出して笑う樹を他所に、遠くでジェシーくんと葵は頭にピカピカ光るカチューシャをつけて騒いでる。

…見つかったら髙地くんに絶対怒ら、…あ、怒られてる怒られてる。

「え、かわいいでしょ？」
「迷子にならなくて助かるわ」
「…私わりとちょっとコレ、テンションあがってるんだけど」
「クソガキか」
「ちょっと！…魔法でカエルにするよ」

小馬鹿にしてくる樹を横目に睨んでやったら「はいはい、よかったねAちゃん？」ってまた小馬鹿にしてくるから、ステッキでぺしぺし引っ叩いてやった。

両手いっぱいにわたあめ抱えて、あとの買ったものは髙地くんに持たせて京本くんは満足そう。

にこにこ走ってきたかと思えば「これ！これはAの分ね！あげる！」ってプリティーキュートな女の子のヒーローが描かれたわたあめをくれる。

「これはおれの！」って名探偵の少年が描かれたものを抱き抱えてて……ほんとに、あの、がわいい、どうしよう？

慎太郎くんも、……え、食べ切れる？その量。両手にすんごい袋たくさんぶら下げて、手には焼きそば持ってもう歩きながら食べてるけども。やんちゃか。

一通り屋台まわって、広場にいる２人に合流して時間を見れば２３時。

それぞれ買ったお酒や食べ物を食べながら１２時を待つ。

広場も結構人がいてガヤガヤしていた。

向かいに座る北斗くんの視線を感じて、その視線を辿れば、

「…ソレ、可愛いね」
「えっ！かわいいでしょ？ジェシーくんが買ってくれたの」

ピンクと水色と紫に時間差で変わるステッキ。

「うん、Aちゃんに似合う」
「さっき樹にはクソガキか！って言われた……って北斗くん、それ褒めてるの？」
「褒めてるよ！(笑)ねえ、このくだりやめない？(笑)」
「…そうだね(笑)…でも私今日北斗くんに言った言葉全て、本音だよ？」
「うん、俺もだよ？(笑)」

って会話してたら端っこに座る樹が「北斗、あんま褒めるなって。調子乗るからA」って馬鹿にしてきた。

むかつくから「…樹なんてカエルになっちゃえばいいよ」って言ってやったら

みんなが「樹、Aちゃんに魔法かけられてやんのー！」「よりにもよってカエルなのウケる(笑)」ってゲラゲラ笑われててザマアミロだ。