65.そういうことになりました ページ17
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｢俺はこうして抱きしめてもいいよってAに許して欲しいだけ｣
引き寄せられてジョングクの胸に頭をくっ付けた。薄い布越しに感じる鼓動は想像していたよりもずっと早く、触れている肌は思ったよりも冷たい。
バイト上がりのお世辞にも綺麗とは言えない、料理や汗やなにやらが混じった匂いが、ジョングクが生きてると教えてくれる。
｢嫌じゃない？｣
｢……嫌じゃ、ない｣
むしろ嬉しい。そのことに驚いた。
今までずっと一緒に居たけれど、こんなに間近でジョングクに触れたことなんてなかったから。
どきどきと鼓動が強く跳ねてきて、顔が赤らんでくるのが分かる。
多分、これが好きっていうことなんだ。
｢期待とか不安がいっぱいなのが恋愛だって聞いてたけど、本当みたい｣
｢……なにそれ｣
｢私も好きってこと｣
それ以上何も言いたくなくて、黙殺するようにジョングクを抱きしめるとピクリと体が震えるのが分かる。
そして数拍の時が過ぎ、私を抱きしめる力が強くなった。
｢私たち、こんな場所で馬鹿みたいじゃない？｣
｢馬鹿なんだから仕方ないよ｣
｢……まあ、確かにそうなんだけど｣
そう言ってどちらともなく吹き出した。体を離して、ジョングクに向き直る。
ジョングクは微笑んだまま、私のピアスをスルスルと触った。
｢もう、俺のものって言ってもいいんだよね？｣
少し不安げな揺れた声でそう問われて、頷く。
｢よかった｣
｢そんなに私のこと好きだったんだ｣
｢……人の気も知らないでよく言うよね｣
｢だって、ジョングクあんまり言わないんだもん｣
私がそう咎めるように返すと、｢気をつける｣と言って手が取られる。
そして帰路に着いた。
・
手を繋いで帰って、門の前に立つ。手を離すべきかどうかちょっと悩んでいると、ジョングクは構わずそのまま中に入っていった。
今日に限ってみんなは揃っていて、手を繋いで帰ってきた私たちをちょっと驚いたような顔で見ていたけど、それ以上は何も言わない。
ニヤニヤと笑うみんなの中で、ソクジンさんだけが私にニコリと笑いかけた。
私はとうとう、気恥しさにはにかんで笑う。
｢……えっと、その、こういうことになりました｣
｢おお〜……｣
｢やっとというか、まさかというか……｣
｢良かったな〜ジョングク｣
｢お祝いとかする？｣
｢あ、いや、いいです！ いつも通りで！｣
ジョングクは慌てる私とは対象的にやけに静かにしていた。その顔はしっかり笑っていたけど。
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おけ(プロフ) - ここまで1日で読みました‼︎このお話大好きです！応援してます！ (2022年2月8日 23時) (
レス) @page40 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はるさん» ありがとうございます〜！デビュー当時辺りを想像して書いてました 楽しんでもらえて良かったです！また気が向いたら続きも書くので、よろしくお願いします^^* (2020年2月7日 9時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - ひゃ〜〜この作品は大好きで何度も読み直しているので、新しいお話嬉しかったです！なんとも守ってあげたくなるまだまだあやふやなグク、、主人公ちゃんと出会って、お互いを好きになれて本当に良かったなと思いました！これからも応援しております！ (2020年1月29日 2時) (レス) id: 75eff8e160 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - じみちむさん» ありがとうございます´`* ちょいちょい書き足していきますので、また読んでください〜！ (2019年8月29日 22時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 番外編も最高でした♪( ´▽｀) (2019年8月26日 17時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年6月9日 16時
