62.スペシャルおにぎり ページ14
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なにかが、すとんと胸の中に落ちたような気がした。
｢――じゃあ、行ってくるわね｣
｢楽しんできてね｣
｢うん…………あ、薬箱は戸棚の上で、絆創膏とかは引き出しの一番右よ。トラブルがあったら電話帳が下の引き戸にあるから……｣
｢大丈夫だよお｣
心配性なおばあちゃんに苦笑を零す。そういえば、おばあちゃんが水彩荘を離れるなんて、私が生まれた時以来かもしれない。
少し不満げなおばあちゃんに手を振って、門の外まで見送る。
｢ハヨンさん、もう出かけたの？｣
｢お土産いっぱい買ってくるねって言ってた｣
｢……何買ってくるつもりなんだろ｣
振り返るとジョングクが居て、もうすっかり見えなくなったおばあちゃんの背中を見据えていた。
今の私はジョングクを見ても慌てたり驚いたりすることはなくなって、なんとなくいつもの感じで接せるようになっている。
ちらっと此方に視線を寄越したジョングクに、私は微笑みかけた。
｢今日の朝ご飯は私が作ったの｣
｢え……作れたの？｣
｢おにぎりとお味噌汁くらいなら出来るよ！｣
｢作らなくても良かったのに｣
｢可愛くないこと言う〜｣
部屋に入るとソクジンさんとナムジュンさんがテーブルについている。
｢今日のおにぎり、なんか豪華ですね｣
｢海苔もついてるし、なんか鮭はみ出てるんだけど｣
｢気が付きました？ 実は私が作ったんです！｣
｢へえ〜！ 美味しそうだよ｣
おばあちゃんが作るものよりずっと大きなおにぎりを二人が掴むのを満足げに眺めると、ドヤ顔でジョングクを見てやった。
｢おにぎりくらいは誰でも作れるよね｣
｢本当〜に可愛くない｣
｢……いただきます｣
黙って食事を始めたジョングクに倣って、私もおにぎりに手をつける。
実は鮭の他に昆布と梅干しも入れてるスペシャルおにぎりだった。
｢実は今日のおにぎりにはあたりがあります！｣
｢あたり？｣
｢辛いやつ作ったの。あたりが出たらいいことあるよ｣
｢ふうん｣
しげしげとおにぎりを見つめた三人に、私はほくそ笑んでいると、ジョングクが不思議そうな顔で私を見た。
｢もしかして、これ？｣
｢あ、そうそう。わさび菜入れた｣
｢……Aっておにぎりも作れないのかと思った｣
｢ちょっと！｣
ぺしっとジョングクを小突く。しれっとした顔で食べ続けるジョングクと私を交互に見たソクジンさんは、私と目が合うと微笑んだ。
｢いいことあるって。ジョングク、良かったね｣
｢……あんまり信じてないです｣
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おけ(プロフ) - ここまで1日で読みました‼︎このお話大好きです！応援してます！ (2022年2月8日 23時) (
レス) @page40 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はるさん» ありがとうございます〜！デビュー当時辺りを想像して書いてました 楽しんでもらえて良かったです！また気が向いたら続きも書くので、よろしくお願いします^^* (2020年2月7日 9時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - ひゃ〜〜この作品は大好きで何度も読み直しているので、新しいお話嬉しかったです！なんとも守ってあげたくなるまだまだあやふやなグク、、主人公ちゃんと出会って、お互いを好きになれて本当に良かったなと思いました！これからも応援しております！ (2020年1月29日 2時) (レス) id: 75eff8e160 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - じみちむさん» ありがとうございます´`* ちょいちょい書き足していきますので、また読んでください〜！ (2019年8月29日 22時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 番外編も最高でした♪( ´▽｀) (2019年8月26日 17時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年6月9日 16時
