61.永遠と不変 ページ13
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｢でもさ、ジョングクの気持ちはどうなるの？｣
ソクジンさんは笑っているけれど、ちょっと固さを残した声音でそう言った。
ジョングクの気持ち。私はその言葉に思わず俯く。
｢僕はね、Aちゃんの言う通り、人間関係において絶対的な永遠なんてないと思うんだ。水彩荘もいつかみんな出ていく時が必ず来るし、一緒になってもハヨンさんたちのように死に別れることもある……Aちゃんのお母さんのようなこともね｣
色んな終わりの形。ソクジンさんは全て分かっているみたい。
永遠なんてないし、不変でいることも出来ない。だからこそ、今の自分にとって大事なことを確かめながら選んでいく。
私はそれを想像するのも怖いのに、ソクジンさんはそれが出来てしまう。
｢でも、多分ジョングクはいつか来る終わりよりも、何もせずにいる今が一番怖いんだよ｣
｢今……｣
｢Aちゃんが自分以外の誰かに盗られたり、それを傍で見る羽目になる自分に耐えられないんだね｣
ジョングクは私とは違うから、怖いこともきっと違う。私は終わりが怖くて、ジョングクは不変が怖いんだ。
――なんで、ずっとこのままで居られないんだろう。
｢――Aちゃんはどう？｣
｢え？｣
｢今、選択を迫られている訳だけど。もしここで躊躇ったせいでジョングクを手放して、次の日違う女の子がジョングクの隣に居たらどう思う？ ちゃんと応援してあげられる？｣
｢――……できない、です｣
｢簡単に言うと、ジョングクが求めてる答えってそこなんだと僕は思うなあ……どうせ終わりが来るなら、せめて後悔が少ない方を選ばないとね｣
コーヒーを片手にソクジンさんは立ち上がった。その姿を追うように顔を上げると、ソクジンさんはやっぱり穏やかに笑っていた。
｢ゆっくり考えてみたら？ 本当はどうしたいのかって｣
｢……はい｣
｢じゃあ、僕はそろそろ寝るよ。Aちゃんもあんまり遅くならないようにね｣
ソクジンさんの後ろ姿を見つめながら、私は深く息をついた。
｢このまま何もしなかったら、かあ……｣
もう元には戻れなくなってしまった。そんなことはよく分かってる。
私はやっぱり選ぶしかないみたいだ。
でも、このまま私が逃げ回っていたら、ジョングクはきっと愛想を尽かすし、嫌われてしまうかもしれない。
ジョングクはあの日、｢好き｣だなんてなんでもないように言っていたけど、本当は違うのかもしれない。
ジョングクは狡い。でも、私もきっと狡いんだろう。
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おけ(プロフ) - ここまで1日で読みました‼︎このお話大好きです！応援してます！ (2022年2月8日 23時) (
レス) @page40 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はるさん» ありがとうございます〜！デビュー当時辺りを想像して書いてました 楽しんでもらえて良かったです！また気が向いたら続きも書くので、よろしくお願いします^^* (2020年2月7日 9時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - ひゃ〜〜この作品は大好きで何度も読み直しているので、新しいお話嬉しかったです！なんとも守ってあげたくなるまだまだあやふやなグク、、主人公ちゃんと出会って、お互いを好きになれて本当に良かったなと思いました！これからも応援しております！ (2020年1月29日 2時) (レス) id: 75eff8e160 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - じみちむさん» ありがとうございます´`* ちょいちょい書き足していきますので、また読んでください〜！ (2019年8月29日 22時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 番外編も最高でした♪( ´▽｀) (2019年8月26日 17時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年6月9日 16時
