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「ーー、!」


「ーーん!」





由衣「Aさん!」


『っ!……ぅ…いたた』

私は頭痛のした頭を抑えて目を開ける


由衣「良かった…!大丈夫!?」

『ゆ、由衣ちゃん…?』

確か……私……高明くんと館にきて
1人で倉庫に……そしたら……



『ッ!
だ、誰かに背後から頭を殴られーッいたた』


由衣「まだ、無理しないでっ
それより…っ!」

私は由衣ちゃんの視線の先をみた


『なっ!』

館が炎に包まれていた

由衣「私が来た時にはもう火に…」



“僕はあの赤い壁の部屋で少し考えてみます”



『ッ!た、高明くんは!?』

由衣「み、見てないわ……ま、まさかあの火の上がる建物の中に!?」


ダッー
私は由衣ちゃんが喋り終わる前に立ち上がり火の上がる館に駆け出した



うそ……
うそでしょ…っ

入口は火が周りもう開きそうにない



『ッ!』
この館には裏口がある
そこから…っ!


由衣「Aさんっ!!」


由衣ちゃんの静止を聞かず私は裏口から建物に入った



『ゲホッ、ゲホッー…ッ
たか、高明くん!!
いるなら返事して!!』


声は聞こえない…ッ

2階の……!赤い壁の部屋…っ!


燃え盛る階段を駆け上がり部屋を覗くと


『ッ!!高明くん!!!』

そこには炎に包まれながら床に倒れる高明くんがいた

『起きて!!
高明くん!!!』

返事はない

とにかく高明くんを連れてここから避難しないと…!


私は高明くんの腕を肩にまわして引きずるように部屋から脱出した



『はぁはぁ……ゲホッ
後は階段を…』


頭も痛い…
空気もない
苦しい……

でも……ッ


“Aさん”


『絶対…死なせないッ!』


1階に何とかたどり着いた私は裏口に向けて足を踏み出す


ガタンッー

『ッ!グァッ』

燃え盛る柱が倒れてきて私は押し倒される

何とか高明くんは裏口の扉の外に放り出せたけどッ


首筋に燃える柱があたりチリチリと焼ける
痛い…もう…意識が…


“絶対帰ってきますから”
“待っててください”


そうだ……私は高明くんと約束した…
長野県警で高明くんが戻ってくるのを
待ってるって……


私がその約束を破る訳にはいかない…っ



『うぅ゛!』

ギチチッー
挟まった髪の毛が切れる音が聞こえた

それでも私は必死に燃え盛る柱から脱出し
高明くんを引きずり
裏口から外に出る


由衣「コウメイくん!Aさん!!」

『ゆ、由衣ちゃん…』

由衣「すぐに場所を移動しましょう、」

『う……ん…』

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作者名:amroxxx | 作成日時:2025年7月26日 17時

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