【銀魂】後にも先にも君だけ

12. ページ13

　
　




女と男、性別というのはそれだけでハンデになるが神楽の場合は違う。


　





『夜兎族だっけ…? 体術に優れてるね』

「何でもアリならかなり強いだろ?」

『ふふ、そうだね』
　






得意気に話す銀時にAは小さく笑う。
まるで自分の子供自慢をする親みたいだ。


　






『あっ、神楽ちゃん左!!』





「「!!」」

　







ドタンｯ!!




　





「......1本!!」

　








派手な音を立てて倒れるのは沖田だった。
誰もが驚いた顔をする中、沖田と神楽はAの方を見た。


そんなAは両手で口元を抑え誰よりも驚いた顔をしている。




　





『(やっちゃった...!)』





　



しかし勝負は勝負。
白星を勝ち取った神楽はふふんっ、と鼻を鳴らす。




　



「卑怯でさァ」

「何を言うアルか、何でも有りの勝負ネ」

「クソっ」



　




「おい」とAの上から土方の声が降ってくる。
彼女は恐る恐る顔を上げた。





　




「何で総悟が右から打つと分かった?」





　




怒られる、と覚悟していたが彼から出た言葉はそんな質問だった。
思ってもみない反応にAは口から手を離し『えっと...』なんて口篭った。





　
　
　




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