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「親父、Aの事送って帰るからツケといて」

「あいよ!! …Aちゃん大丈夫だったかィ?」

「へーきへーき、ちょっと立ち眩みしただけだってさ」


 





周りの客も「さっきまで元気だったのになァ」「心配だなァ」と口を揃えて言った。
それには銀時も苦笑いを見せる。

 





「俺が送る」

「は…? 何?」

「俺は食い終わったし、手前ェも飲んでから帰りゃ良いだろ」




 



そう言いながら立ち上がる土方は腰に刀を差し直し、財布から数札のお金を取り出してカウンターに置いた。
 






「......どういう風の吹き回しだよ」

「ぁ? ただの親切心だろうが」

「へぇ〜、"お巡りさん"だから?」

「...さっきから聞いてりゃ、何だ、何か不都合があんのか?」


 




いつもの言い合いとは少し違う2人のやり取りに店長も「お、おいおい、お二人さん...」と、焦った様子を見せた。

 


しかし今回先に折れたのは銀時だった。

 


不都合があるとすればある。
それは銀時ではなくAになのだが、口が裂けても言えそうにない。



 




「...はぁ...、そんなんじゃねぇよ、」
「気持ちは有難ェけど、今回は良い」
「酒もそんなに入ってねぇし俺が送って行く」



 




銀時にしては真っ当な意見で土方を黙らせ、自分の身支度を終えるとAが待っているであろうバックヤードへと再び姿を消した。


 






「銀さんって面倒見良いよね」

「...それよかAが心配だな」

「そうだねぇ...、無理してたのかな...」

「何にせよ早く良くなりゃ良いが」





 




そう言い残し店を出ようとした土方だったがピタリと足を止めた。
視線の先は先ほどAが蹲った場所。
土方はゆっくりその場に近づき屈んで何かを手に取った。




 



「何だこれ… 花......?」

「どうしたんだィ、土方さん?」

「......いや、何でもねぇ...」


 




店長がカウンターから声を投げ掛けて来たが土方はまた立ち上がり、拾った小さな白い花弁をそっと袖の中へと仕舞った。




 




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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント有難うございます。登場キャラの想いが交差してぐちゃぐちゃに絡まるような、そんなお話にしたかったのですが難しかったです... 最後まで読んでくださり有難うございました (2023年2月12日 10時) (レス) id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 切なくて切なくて、でもとても美しい作品で、涙が止まりませんでした。本当に最高の作品でした。ありがとうございました。 (2023年2月12日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おひなさん» 初めまして。コメント有難うございます。土方さん落ちは久々だったのでこれで良いのか迷走しましたが、おひなさんの暖かい言葉に救われました (2023年2月9日 7時) (レス) @page49 id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 最っ高な作品をありがとうございました!終始涙腺崩壊でした!w (2023年2月9日 2時) (レス) @page49 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年12月27日 23時

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