【銀魂】その男、獣につき

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なんの前触れも無く、その日は突然やって来た。


　
　
　




「よォ、迎えに来たぜ?」

　
　






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『私は人質ですか?』





「ｸｸ、ンな大層なもんじゃねぇ...言っただろ」






　
　
　
　


「祭りに【招待】するってな」。
高杉はクスクスと笑う。



Aが連れてこられたのは鬼兵隊の艦であり、彼女からすれば完全に敵地な訳だが。
意外にも刀や銃を向けられることは無かった。



　
　
　
　



『......何がしたいんです?』

「奴の中の獣がどんなもんか知りてェのさ」

『......』

「御前は知ってるんだろ?」


　
　
　




高杉のその目はまるで全てを見透かしているようで、Aは何も言えずにいた。
ただ一つ、彼女の中で"それ"を知るのは己だけで良いと思う自分が居て自己嫌悪に苛まれる。




　
　





『...私は自分で思っていたより』
『独占欲が強いみたい』



「悪いことじゃねぇさ」
「それだけで俺にとっちゃ利用価値がある」



『"獣"に喧嘩を売ったなら』
『噛み付かれる覚悟はあるって事ですね』



「賭けてみるかァ?」
「副長さんと俺...どっちの牙が鋭いか」


　
　
　

　
　



Aは高杉の言葉に笑った。
そんなもの賭けになどならない。



　
　
　
　




『あははっ、ふふ...、』




　
　
　



もしかしたら互角かもしれない。
いや、最悪土方が圧される可能性だってある。

　
　



しかし彼女は迷わず答えた。




　
　
　
　
　



『土方十四郎、一択で』









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