それからの話 th �� ページ29
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｢……むむむ｣
夏休み。真夏のうだるような暑さ。
太陽とのコントラストを見せる仄暗いじっとりとした教室で寝そべっていると、ひょっこり顔を出したAが顔を顰めた。
｢どしたのテヒョン。悩むなんて珍しい｣
｢むむ……む？ え、どういう意味？｣
｢いや、ごめん｣
クーラーなんかついてない教室の窓からは生暖かい風が流れ込み、Aの髪を揺らした。
ほんのり汗ばんだ肌に視線を奪われつつも、手元にあった悩みの種をAに見せる。
｢進路指導？ まだ出してなかったの？！｣
もう夏休みだよと呆れたように笑うA。
｢……悩むじゃん｣
｢なんで？ 大体みんな進学じゃん｣
この田舎では進学といえば隣の町の、これまた田舎にある唯一の高校に通うか、農家ならば家業を継ぐという単純な選択肢しか残されていない。
進路指導なんていうものは建前で、皆はそれぞれ決まりきったレールの上を歩くのみ。
そんなことはわかっているけど、おれの悩みの種はそこじゃなかった。
｢……Aは行かないんでしょ、高校｣
｢うん｣
Aはこの村の神様になることをいつの間にか決めていた。
ジミンとかホソクさんとかみんなの勧めで神様になることに決めたらしい。
高校には行かずにこの村に残って、いずれは戸籍とかも消してしまって本当に人間をやめてしまうようだった。
｢Aはずるいよ、なんにもおれに言わないんだもん｣
Aはなんでも一人で決めてしまう。というか、おれだけいつも除け者にする。
いつしかの神様騒動の時だって、ジョングクには色々相談してたのに、おれの事は頑なに事態から遠ざけようとしていたのは肌で分かっていた。
Aだけじゃない。この村の人間はみんなおれを余所者扱いするんだ。
都会から引っ越してきたAにだけは、分かって欲しいと思っていたのに。
てっきりおれはこれからもAと一緒に高校まで通えると思っていたのに、やっぱりこうなってしまうんだ。
｢おれも高校行かない｣
｢えええ、ダメじゃん｣
｢だって……｣
Aは居ないんでしょ？ とそう問うと、ちょっと困ったような顔をされてしまう。
｢せめて高校くらいは一緒に行こうよ｣
｢ダメだよ。一応これから戸籍から抜けるんだし、下手に知り合い増やしても面倒になるじゃん。｣
Aの言葉に口を尖らせる。
Aはずるい。おれがどういう風に想っているかなんて、これっぽっちもわかってない。
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sai(プロフ) - カナタさん» ちょっと抜けてるナムジュンめっちゃ好きで、好きが高じてこうなりました 笑 ハーレムになってからが本編です……！ (2020年4月10日 17時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - ナムジュン可愛いです(笑)求婚の貢物届けるナムジュンと知ってても教えないお父さんが(笑)ヒロインちゃん・・・イケメン神様達のハーレム羨ましい(´；ω；`) (2020年4月10日 1時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 完結までありがとうございました！ その後も読んでもらえて嬉しいです〜ジミンちゃんは許しませんよ 笑 ぼちぼち続くので、また読んでやってくださーい！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - LiLiさん» ありがとうございます〜 オチだけは決めてたので、楽しく読んでいただけて何よりです！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - 凄く面白かったです！最後はみんなで仲良く暮らせてよかったです^^テヒョンの自分だけ仲間外れ感からの第一志望に笑いました(笑)ジミンちゃん許してくれたの？(笑)お父さんしてるユンギさんも可愛いかったです！番外編などあったら是非読みたいです^^完結お疲れ様でした (2020年3月20日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月27日 10時
