67.限界突破 ページ18
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｢早くみんな逃げて……｣
腕がプルプルと震えてきて、いよいよ限界を悟る頃、私はやっとの事でそう絞り出す事に成功した。
本当にヤバい。気を抜いたら崩れる。
そんな瀬戸際でも、三人はそこを動こうとはしなかった。
｢……この木刀でつっかえ棒にならないかな？｣
｢俺の棒も……｣
｢気が逸れることを言わないでってば！｣
……限界。本当に。
トンチンカンな事を言う男子中学生二人を叱り飛ばしながら、ジリジリと迫り来る天井をどうにかこうにか弾き返そうとする。
でも、やっぱり私の力じゃ足りなくて、持ってあと一分という感じだった。
足場は膨大な圧力でミシミシと音を立てていた。
――私はその時、外の轟音が鳴り止んでいる事にも気づけなかったし、いつの間にかジミンさんがテヒョンを守るように社の外の"何か"を警戒している素振りも目に入らなかったのである。
｢――……君、本当に何してるの？｣
だから、目の前にソクジンさんが飛び込んでくるだなんて思わなかった。
｢あっ｣と声になったかどうかも分からない声が出て、ふつりと緊張の糸が解ける。もちろん、私の支えがなかったらこの社は倒壊してしまう訳で。
ザッと冷や汗が背筋を這った。
後ろには崩れていく社に飲み込まれてしまうテヒョンとジョングクくんが居る。
だけど、次の瞬間に訪れたのはガクンという視界のブレとバキッという鈍い音。
圧力から開放された時の浮遊感にも似た……――否、私は"落ちていた"
｢………………えっ｣
ドン、という音が追いかけてくる。急にぶわりと膨れ上がった浮遊感は、体が横になっている事で実感に変わった。
地面が抜けたのだ。文字通り、抜けた。
巨大な空間が下に広がっていて、私達は真っ逆さまに落ちていく。
崩れてくる社が遠くなって、背中に当たった風が頬を撫ぜる。重力のままに落ちていた。
｢……ソクジンさん！｣
手を伸ばしてくれていたソクジンさんが瓦礫に飲み込まれるのを下から眺めた。
ハッとして"落ちていく"方向を見やると、真っ暗な空間が広がっていて、焦りが戻ってくる。
｢A！｣
一緒に落ちていくテヒョン。その表情には明らかな恐れが張り付いていた。
風が邪魔をして下が見えない。このままいったら、私達は潰れたカエルみたいになってしまうかもしれない。
｢テヒョン！｣
慌ててテヒョンの手を引いた。
すぐあとから落ちてきたジョングクくんの背中を手繰り寄せ、そして、ジミンさんへと手を伸ばした。
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sai(プロフ) - カナタさん» ちょっと抜けてるナムジュンめっちゃ好きで、好きが高じてこうなりました 笑 ハーレムになってからが本編です……！ (2020年4月10日 17時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - ナムジュン可愛いです(笑)求婚の貢物届けるナムジュンと知ってても教えないお父さんが(笑)ヒロインちゃん・・・イケメン神様達のハーレム羨ましい(´；ω；`) (2020年4月10日 1時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 完結までありがとうございました！ その後も読んでもらえて嬉しいです〜ジミンちゃんは許しませんよ 笑 ぼちぼち続くので、また読んでやってくださーい！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - LiLiさん» ありがとうございます〜 オチだけは決めてたので、楽しく読んでいただけて何よりです！ (2020年3月23日 15時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - 凄く面白かったです！最後はみんなで仲良く暮らせてよかったです^^テヒョンの自分だけ仲間外れ感からの第一志望に笑いました(笑)ジミンちゃん許してくれたの？(笑)お父さんしてるユンギさんも可愛いかったです！番外編などあったら是非読みたいです^^完結お疲れ様でした (2020年3月20日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月27日 10時
