名探偵コナン 短編集 【怪盗キッド/黒羽快斗/工藤新一/安室透/降谷零/江戸川コナン】

結婚記念日 2 【降谷零】 ページ15

鞄の中から出したのは離婚届
名前も全て書き終わっていて
後は彼が書くだけ
この、紙１枚で彼との関係が終わる

『ここに置いておくから』

そのまま仕事に行こうと支度をしていると
後ろから急に抱きしめられる

『！』

降｢この紙1枚で終わらせてしまうのか？｣

『そうですね』

久しぶりの温もり
この人のこんな所が好きだった

降｢何が不満だ…｣

『…不満はないですよ』

そう、不満はない
いちゃいちゃしていたい！というタイプでもないし
離れているのは嫌！というタイプでもない
ただ、この関係を続ける事に意味を感じなくなっただけだ

降｢なら、どうして｣

『私は私の人生を歩みます
それが貴方と重ならなくなっただけ』

降｢そこに俺はいないのか？｣

『そうですね』

そうだ。
彼との未来は私にはもう見えない

『なので、ここに署名お願いします。
私が提出しておくので』

降｢今日はせっかくの記念日なのに｣

『記念日って覚えていたんですね』

彼が覚えている事に驚いた
お互いの誕生日だって何もしないのに
…私は彼の誕生日にケーキやプレゼントを用意していたが

降｢…｣

『たった1年でしたが
色々とありがとうございました。』

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