名探偵コナン 短編集 【怪盗キッド/黒羽快斗/工藤新一/安室透/降谷零/江戸川コナン】

すて猫 2 【降谷零】 ページ11

降｢ダメだ…せめて仕事と住むところを見つけてからにして下さい｣

『…』

なんとか引き止めたかった
どんな理由でもいい
彼女がいてくれるなら

『分かったよ
だから、そんな顔しないで』

今自分がどんな顔をしているか分からなかったけれど彼女が寂しげに笑う
その表情に気づいてしまった

降｢…今日は一緒に寝てくれませんか？｣

『成人だけどいいの？』

降｢何もしませんよ｣

『分かった』

きっと彼女は出ていってしまう
彼女の表情からそれが分かってしまった
なら、少しでもその気持ちが揺らいでくれれば

『狭くないの？』

降｢なら、もう少し僕の方に来てくれませんか？｣

『それは、この時間的に大丈夫なの？』

降｢…大丈夫です｣

『ねぇ、そんなにあからさまに寂しそうな顔しないでよ』

降｢なら、出ていこうとしないで下さい｣

本音だった
だれかにここまで感情をぶつけた事はない

『…うん。
もう、寝よ』

彼女にそっと髪を撫でられて
寝たくなかったが寝てしまっていた…

降｢…｣

隣で寝ていた彼女はもういない
彼女の荷物も見当たらない

降｢結局は、悲しい顔をさせるんじゃないですか…｣

ベッドから起き上がり
テーブルを見ると手紙が…

【降谷零さんへ

いままで、ありがとう。
このままここにいても良かったんだけど、きっと貴方が仕事に集中出来なさそうだったので出ていくことにしました。

ハムサンド、美味しかったよ


また、きっと私を見つけてくれると信じて…】

降｢…見つけてくれると信じて…か｣

すぐにでも探してしまいそうだったが
きっと彼女の事だ
遠くへ行ってしまったんだろう…

降｢必ず見つけてやるさ｣



僕だけの迷い猫さん


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ずっとラブラブな雰囲気を書いてきたので
少し違うジャンルにも挑戦してみたいと思って書いてみました！

降谷さんのまた違う顔が書けていれば
嬉しいです！

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