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「えっと...こんなことあなたに聞くのはどうかとは思うんですけど。...私は、誰ですか。」




ただわかるのは、この目の前に伸びている不健康に白い腕と足が自分のものであるということくらいだ。

男は、何がおかしいのか、くくっと喉を鳴らす。


足元から頭の先まで私を品定めするように眺めると、少し距離を縮め、頬に触れてきた。

ひやりと、彼の手は冷たい。





「気になるか?」

「はい。とても。」





まっすぐと彼の瞳を見つめると、彼は親指で私の頬を撫でる。

くすぐたくて、思わず目を閉じて首をすくめた。




その反応がお気に召したのか、口角をあげた彼は見世物でも見るかのようにこちらを見下ろす。





「お前のこたぁお前が一番よく知ってるんじゃあねえのか?」

「知っていたら聞きません。」

「今は忘れてるだけだ。」

「それは知らないのと大して変わらないじゃないですか。」

「んなこたねえよ。知らなきゃ思い出せねぇが、知ってりゃいつか思い出せる。」



...確かに。


こんな状況で、嫌になるくらい冷静な私の頭は男の言葉に納得していた。


けれどこんな言葉遊びみたいなやりとりをしているだけでは、全く話が進まない。

要はこの男は何も教えてくれる気がないらしい。
はぐらかされてしまったわけだ。




「なら、貴方は誰ですか。」

「俺のことも忘れちまったってか?ひでー女だ。」




けらけらと嘲る彼はその唇を私の耳元に近ずけ、吐息のかかる距離で、こう囁く。







「誰だか、当ててみろ。」






ぞくり。

まるで背筋をなぞられたかのように、ビクリと体が反応する。

暖かい息が首筋にかかって、男の存在を意識せざる負えない状況だ。



これは故意にやっていることなんだろうか。




整った彼の顔は、意地悪く歪んでいた。

三→←一



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沖神 - そ…そうですかw…ごめんなさいw (2017年8月16日 1時) (レス) id: 3e81e6a0f7 (このIDを非表示/違反報告)
しののめ(プロフ) - 沖神さん» ......む、無料....ですよ! (2017年8月12日 11時) (レス) id: d0946bab96 (このIDを非表示/違反報告)
沖神 - これって有料じゃないです…よ…ね?………… (2017年8月12日 2時) (レス) id: 3e81e6a0f7 (このIDを非表示/違反報告)
しののめ(プロフ) - あかあしえいたくんさん» ご感想お寄せいただきすごくすごくうれしいです...。こちらこそ、ぜひ応援よろしくお願いいたします。コメントありがとうございました。 (2017年7月13日 0時) (レス) id: 5bb7c4f37e (このIDを非表示/違反報告)
あかあしえいたくん(プロフ) - 高杉すごいドキドキします!すごくすごくおもしろいです!これからもがんばってください!ぜひ、応援させてください! (2017年7月10日 14時) (レス) id: 04caca4bb1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しののめ | 作者ホームページ:http://nanos.jp/aoikasou/  
作成日時:2017年5月14日 20時

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