番外編:＊* ページ36
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「……随分としらじらしいな。
面会が認められるなら麗日を呼んでほしいと言ったのはAだろう」
「まあそうですけど。
本当に来てくれるとは思ってなかったから……嬉しいな」
Aは以前よりも素直になった気がする。
感情が分かりやすくなったというか、底知れない雰囲気が薄くなったというか。
ミステリアスなオーラを失った代わりに、彼の笑顔は朗らかになった。
繊細なパーツでつくられた彼の美貌は、ふわりと緩んで優しげで。
「ほら。麗日ちゃん、こっち。
椅子ならちゃんと二人分あるから。座っていってよ」
「う、うん！」
「……妙なことはするなよ」
「しませんよ。先生の前なのに」
相澤はときどき、やけに鋭い。
これが教師のカンというやつだろうか。
けれどAは特に気にしてはいないようで、ちょいちょい、とお茶子を招く。
少し緊張するが、先生もいるしそういう雰囲気にはならないだろう。
お茶子は控えめに、お邪魔します、なんて言いながら椅子に座った。
「意外ときれいな病室やね。最新！ っていうか…高そう……」
「そのわりには、何にもないけどね。テレビくらいあってもいいと思わない？」
「ぜ、ぜいたく！」
「あはは、冗談だよ。だから先生もそんな目でみないでください」
くすくすと笑ってみせると、いつものAだ。
お茶子をからかい、飄々と笑ってみせるこの雰囲気。
思ったよりも元気そうでよかったと、お茶子は思う。
もしかすると昔のことを思い悩んでいるかと。
どうなるのかもわからない未来を、気に病んでいるかと。
……そうでないなら安心だ。
お茶子もつられて、表情を緩める。
「俺はね、そういう顔が見たかったんだよ。
麗日ちゃんが笑ってると、不思議と元気になれるんだよね」
「え？ そうかなぁ……。そんなんはじめて言われました」
「でも少なくとも俺は、君を見てるとこれからも頑張れそうだなーって思うよ」
Aはどこまでが本気なのだろう。
それでもお茶子は、彼のその笑顔に嘘はないと思う。
そうしてしばらく雑談していると、相澤の携帯がぴりりと鳴った。
「――悪ィ。至急の連絡だ。すぐ戻る」
「はいはい、ごゆっくり」
「……何度も言うが、くれぐれも妙なことはするなよ」
「だ、大丈夫です！ そんなことさせませんから！」
随分とこっちが気がかりらしく、相澤は何度もこちらを振り向きながら病室を出て行く。
合理的じゃない動きだね、なんてAは笑った。
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るいるい＊*(プロフ) - 遥亜さん» コメントありがとうございます！リクエストもとっても嬉しいですvV 今書いているものが完成したら是非とも書かせていただきますね！ (2019年6月12日 13時) (
レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
遥亜(プロフ) - 完結おめでとうございます！リクエストいいですか？是非主くんと一年A組のみんなが仲良くしているのを見てみたいです！一年A組のお手伝いとして訓練に参加したりしてもらいたいです！お願いします！ (2019年6月12日 11時) (レス) id: b6c422ed28 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 星の桜さん» コメントありがとうございます！ 尊いと思っていただけたのなら嬉しいですvV (2019年5月30日 8時) (レス) id: ba7b003d03 (このIDを非表示/違反報告)
星の桜(プロフ) - 反則...尊しをさせるきぃ...？ (2019年5月30日 6時) (レス) id: d8fdca1aee (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - タクさん» ありがとうございます！ 私に書ける最大級の甘々を目指しましたvV (2019年5月29日 21時) (レス) id: ffc7d791fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月23日 18時
