番外編:初恋の行方 ページ34
.....
「私が面会に、ですか！？」
「ああ、そうだ。許可が降りた。」
職員室へ呼び出されたお茶子は、相澤から告げられた内容に目を丸くする。
Aに対する面会の許可が降りたらしい。
検査入院としてしばらく病院にいる間、1度だけ親しい人間との面会が許されるという。
親と連絡がつかないAの保護者がわりになっている相澤は別枠として数えるなら、お茶子以外の適任者はいないだろう、という相澤の判断だ。
もちろん、怪しい行動がないかどうかの監視はつくし、相澤自身も同伴する予定だが。
「嫌なら断っても構わないが……」
「い、いえ！ 行きます！」
けど心の準備ができているかどうかは別。
少し赤らむ頬を両手で扇ぎながら、お茶子は思う。
――私もう、Aさんの虜やもん。
――ほんとのAさんが、好きやもん。
……思いっきり告白してしまった。
返事を聞く暇はなかったけど、あの時のあの台詞が告白以外のなんだというのだろうか。
ストレートに思いをぶちまけてしまったことが、今になって恥ずかしくなってくる。
あの時は本当に夢中だったから、後のことなんて考えていなかったのだ。
……そして、その前にしたキス。
あれはキスだ。間違いなくキスだった。
しかも恋人がするみたいな、深いキス。
ファーストキスでそれはどうなんだろう。
いざ会うとなって考えれば考えるほど、ぽこぽこと顔が熱くなってしまう。
静まれ煩悩。
自分はAのお見舞いに行くのだ。忘れろ！
「……合理的じゃないな。
やっぱ緑谷か轟あたりに頼むか」
「う、わわわ大丈夫、です！
行きます！ 行かせてください！」
呆れたように口を開いた相澤を何とか言いくるめつつ、慌てるお茶子。
何も二人っきりで会うわけじゃない。
同伴者として相澤もいるのだ。だから平気。
平常心を保てるに違いないと思いつつ、心の準備ができないまま……ついに、面会日がやってくる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 338人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るいるい＊*(プロフ) - 遥亜さん» コメントありがとうございます！リクエストもとっても嬉しいですvV 今書いているものが完成したら是非とも書かせていただきますね！ (2019年6月12日 13時) (
レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
遥亜(プロフ) - 完結おめでとうございます！リクエストいいですか？是非主くんと一年A組のみんなが仲良くしているのを見てみたいです！一年A組のお手伝いとして訓練に参加したりしてもらいたいです！お願いします！ (2019年6月12日 11時) (レス) id: b6c422ed28 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 星の桜さん» コメントありがとうございます！ 尊いと思っていただけたのなら嬉しいですvV (2019年5月30日 8時) (レス) id: ba7b003d03 (このIDを非表示/違反報告)
星の桜(プロフ) - 反則...尊しをさせるきぃ...？ (2019年5月30日 6時) (レス) id: d8fdca1aee (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - タクさん» ありがとうございます！ 私に書ける最大級の甘々を目指しましたvV (2019年5月29日 21時) (レス) id: ffc7d791fa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月23日 18時
