60:煌めき ページ14
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緑谷と心操とかいう普通科男子の試合も面白かったが……
予想の範疇をでない、といったところか。
Aは知っている。
いくら優れた個性を持っていようが、きらきらとした光の道を歩くヒーローの有精卵に、ヒーローとして勝つのは難しいのだ。
……ヒーローというのは、いつだって緑谷のような恵まれた人種なのだから。
さて、いよいよ一回戦はラスト試合。
爆豪とお茶子の試合である。
スタジアムに現れるのは平然とした爆豪。
やや緊張しつつも、彼から目をそらさずに堂々と佇むお茶子。
ひとつ深呼吸をして……彼女の容貌は、闘志に満ちている。
さて、それが何処まで続くか。
圧倒的な実力差の中、何処まで耐えることができるか。
Aの個性とは異なり、爆豪の個性は物理的だ。
当たれば痛い。怪我もする。
精神的ではなく、肉体的な損傷。
肉体を抉られながら、傷つけられながら、彼女は本当に戦えるか――…
――スタートの合図と共に、お茶子は走る。
走って爆豪を捕え、浮かせて主導権を握ろうとする。
だが、それは敵わない。爆豪の反応速度は異常だ。
Aレベルの反射神経でお茶子を迎え撃つ。
そこに容赦なんてものはない。
観客席から見れば、弱い者いじめだろう。
ブーイングが飛ぶ。
女の子を虐めるなと、ブーイングが。
「……違う」
Aは呟く。
目を見開き、驚いたように。呆けたように。
これは、弱い物虐めなんかじゃない。
これは――…
『今遊んでるっつたのはプロか、何年目だ』
相澤の声。
プレゼントマイクからマイクを奪ってまで、彼が口を出した。
『ちらほら言ってんならもう見る意味ないから帰れ。
帰って、転職サイトでも見てろ！』
本当に、この教師はどこまでも聡い。
それを苦々しく思う暇すらないほど、Aは試合に見入っていた。
お茶子の実力を認めているから、本気で挑む爆豪。
手加減も油断も、決して存在しない。
――その姿勢は、本気で戦うお茶子にとってどれだけ紳士的か。
そしてその意図を汲み取り、戦うお茶子。
目は生きている。死んでいない。闘志に満ち溢れている。
――その折れない姿勢は、どれだけ尊いものか。
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唯理 - 体育祭の緑谷のポイントは1000万ですよ。前作から読ませてもらっています頑張ってください！ (2019年8月4日 16時) (
レス) id: f453f15264 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - いっちゃんさん» コメントありがとうございます！ 感想と応援、本当に嬉しいし励みになります！ お陰様でたくさん評価をいただきまして有難い限りです……これからもよろしくお願いします！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
いっちゃん(プロフ) - アドバイスではないんですが、1つ目の時から俺、除籍されちゃったんでを見てたのでどんどん人気になっていて凄い！と思います笑今までの作品で1番好きな作品なのでこれからも見続けますし、応援しています！ (2019年5月19日 21時) (レス) id: 35db45c436 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - watanukiさん» コメントありがとうございます！ いいですね、それ！実は触れ合いがディープであればある程隙ができる=個性がかかりやすくなる、みたいな描写する予定だったのでそれ、採用です！ 有難く使わせていただきますねvV (2019年5月18日 10時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
watanuki - すいません、何故か2回送ってしまって、2回送ったのは気にしないでください！ (2019年5月18日 7時) (レス) id: 95d34a0908 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月17日 17時
