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09:** ページ10

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やっぱこのひと、睫毛、長いなぁ。

……なんて。
とてもどうでもいいことを思ったりした。

羨ましくなるくらいに繊細な、長い睫毛。
マッチ棒が何本乗るのだろうか。ちょっと実験してみたい。

それに彩られているのは色素の薄いグレーの瞳。
睫毛が繊細なのは、彼の色素の薄さ故だろうか。

淡く、透けてしまいそうな中にある唯一の色彩は唇。
真っ赤な唇が緩く開くと、蕩けるような声がした。


「見てみたかった、だけなんだ」


その瞬間、とても甘い匂いがした。

何の匂い? 何の香り?
シャンプー? 花? 砂糖? 蜂蜜?

今まで嗅いだどの匂いよりも、甘く、熔けるような。
まるで頭から爪先まで、甘さで蕩けさせられてしまうような。


「――ねえ。
 君を殺せば、相澤先生は悲しむかな?」


――それは、一瞬。

まるでひとりごとのような言葉を最後に、彼はゆっくり、お茶子から離れる。
その途端、身体の熱がふぅっと醒め、正気に戻った。

はっとして周囲を見回すと、真っ赤な顔をした緑谷と飯田。
そして、くすくすと微笑むA。


「それじゃあ、イレイザーヘッドによろしくね。ばいばい」


彼は楽しそうに、愉しそうに。
今朝のように……いや、今朝よりも楽しそうに、背中を向け、ひらひらと手を振って。

口笛なんて吹きながら、飄々と公園を後にした。

残されたのは呆気に取られたお茶子と、動揺を隠せない緑谷と飯田。
ぼんやりが残る脳味噌のまま、お茶子は麗らかとはほどとおく、ぽつりと零した。


「……いたやん、不審者」


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設定キーワード:僕のヒーローアカデミア , ヒロアカ , 男主   
作品ジャンル:アニメ
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るいるい**(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます! 嬉しいですvV (5月29日 21時) (レス) id: ffc7d791fa (このIDを非表示/違反報告)
カイ - お茶子も主人公も両方可愛い! (5月29日 20時) (レス) id: 2843dfb22b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい**(プロフ) - 猫好きさん» 健全な占ツクでその話題はいけない…(戒め) (5月24日 8時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 野獣せんぱ……すみません (5月24日 0時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい**(プロフ) - 祟璃さん» うわぁあ人名のミスとかいちばんやっちゃいけない誤字! ありがとうございます!本当に助かります! 修正致しました! (5月20日 10時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るいるい** | 作成日時:2019年5月12日 14時

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