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お茶子が力尽き、Aが解放されたのと。
オールマイトが到着したのは、ほぼ同時。
若干前者のが早かったが、誤差の範囲だ。
これ幸いとばかりにAは地面に崩れ、倒されたヴィランのふりをする。
楽しいのはこれから。
まだ、捕まるわけにはいかないのだ。
……そして、作戦は成功。
オールマイトにも余裕はなかったらしく、Aの演技に気付くことは無かった。
階段を飛び降り、脳無やら死柄木やらがいる下へと、目にも止まらぬ速さで移動する。
ならば……バレる前に。気づかれる前に。
他の生徒たちがこちらに来る前に、こっそりお暇しなくては。
――けれど。そのよりも前に、やることがある。
静かに起き上がったAは、予想以上に粘り、最後まで戦おうとしたお茶子に近づいた。
痛々しい手のひらの傷。
口から血を流すほどの我慢なんて、よくできたものだ。
今は熱に浮かされながらすやすや眠っているお茶子を抱き起こし、そっと瞼にキスをする。
まるで愛しい子どもに口づけるように、優しく。
息がしやすいように寝かせた後に、Aはそっと囁いた。
「――今はゆっくりおやすみ。
虐めてごめんね。でも、可愛かったよ」
困ったなぁ、と微笑む。
今日は遊びのつもりで来たのだけれど。
目をつけた
「ぼちぼち時間かな。
……また会おうね、麗日ちゃん」
オールマイトに保護された生徒らが、こちらに近づくのが見える。
これ以上、あまり個性を使いたくはないし。
騒がれると厄介だと、ほぼ満身創痍状態なAは苦笑いした。
お別れもそこそこに、高台から飛び降りる。
口遊ぶように零したひとりごとは、
まるで小さな子どものようで。
「――君は、俺みたいにならないで」
……そして、
いつか誰かに
その相手は……君がいい。
下は茂み。ちょうどいいクッションだ。
無事着地したAは身を潜め、機会を待つ。
死柄木が撤退を決定し、黒霧がワープゲートを開くその時を。
――脳無も、死柄木も、強かった。
だから、大人は気づかない。
救護者でも、生徒でもない青年。
ヴィランに近いが、元々はヒーロー志望。
どこにも居場所がない彼に、
大人たちは、気づかない。
..
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るいるい＊*(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます！ 嬉しいですvV (2019年5月29日 21時) (
レス) id: ffc7d791fa (このIDを非表示/違反報告)
カイ - お茶子も主人公も両方可愛い！ (2019年5月29日 20時) (レス) id: 2843dfb22b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 猫好きさん» 健全な占ツクでその話題はいけない…(戒め) (2019年5月24日 8時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 野獣せんぱ……すみません (2019年5月24日 0時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - 祟璃さん» うわぁあ人名のミスとかいちばんやっちゃいけない誤字！ ありがとうございます！本当に助かります！ 修正致しました！ (2019年5月20日 10時) (レス) id: d4f8fbb131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るいるい＊* | 作成日時：2019年5月12日 14時
