プリンセスな彼女[takashi.n]

Chapter39 ページ40

A「いいよー

そんなこと気にしなくてー

だってもっと早くって

付き合ったのバレンタインでしょ？

大丈夫大丈夫

最近会ってないなーって寂しかったけど

ユウカが幸せにやって・・・」









ユウカ「あのね

そうじゃなくて・・・」









A「ん？違うの？」









ユウカ「・・・あのね

チハルが・・・

ニカに告白したんだ

・・・それでね」









　
　
　
　
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　
『付き合うことになったんだ』






　
　
　
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心臓が止まった気がしたけど
それも気のせいで
ちゃんと動いてたから









言うまでもなく残りの
春休みは全て泣き続けた









・・・あの日
恋に落ちたタカシちゃんを
見た気がしたのは
気のせいじゃなかったんだって









どうして普段はどんくさい自分が
なんで余計な事だけは
敏感なんだろうって









どうしてあの時
付き合おうなんて
言っちゃったんだろうって









どうしてもっと
早く諦めなかったんだろうって









なんで・・・









最後の想いはぐっと飲み込んで









やっぱり
自分が嫌で嫌で泣けた









結局そのまま
ほぼ引きずったまま
受験生として１年を過ごし









高校生で『絶望』を知った
私の唯一の救いは
第一志望の大学に
合格したことだけだった









卒業式が終わって
あと数日で始まる大学生活を前に
今だに見えない
呪縛にかかってる私に









今日で色々最後にしようと
ミツキとカラオケに行って
やっぱり失恋ソング歌いまくって
泣いて泣いて泣いて最後は笑って
たった２人でミツキと円陣を組んで別れた









家に帰る途中あの日から
初詣以外で行くことのなくなった
神社の階段の下で止まった足









すっかり日は沈んで暗くなった
神社の階段を見上げると
あの時受けた心臓の衝撃で
随分と丈夫になったのか
不思議と恐怖はなかった









それよりもせっせと
祈り続けた迷える子羊に
容赦ない仕打ちをしてきた
この氏神様にメラメラと
こみ上げてきた怒りにも近い感情









・・・まだ終わってない









ここで決着をつけなければ・・・
この呪縛は解けない

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