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#知らない場所 ページ7

目が覚めると、ふかふかのベッドの上にいた。

見慣れない天井と、少し感じる全身の違和感。

横を向くと、船員の二人も同じように寝ているのが分かった。

「二宮、松本」

呼びかけてみるも、反応はない。

はて、一体何がどうなってこうなったのか。

一人で考え始めようとした時、ドアを叩く音が聞こえた。

反射的に目をつぶってしまう。

何か喋りながら部屋に入ってくるのが聞こえて、櫻井は薄目になった。

二人が心配そうにこちらを見て話しているが、言葉が全く分からない。

そのうち、一人が櫻井が薄目で様子を伺っていたことに気づいたらしい。

目を輝かせながら近づいてきて、何やら喋りかけてきているが、言葉の聞き取りすらできなかった。

言葉が分かっていないのが伝わったらしく、相手も困ったようにもう一人の方を振り返っている。

もう一人は考え込んでいる様子だったが、思いついたらしく何かを言った。

空気が変わるのを肌で感じた。

不思議な感覚だ。

「これでどう、かな」

不安そうに、何かを言ったもう一人の方が首を傾げている。

「言葉伝わる? 大丈夫?」

近くにいた人も心配そうに櫻井を見ている。

突然言葉が分かるようになったことに戸惑いながらも、櫻井は頷いた。

「よかったあ、助かったんだね!」

嬉しそうにしている人を見て、何が何だか分からず、もう一人の方を見る。

もう一人は苦笑して、櫻井に近寄ってきた。

「こら、マサ。困ってるでしょ」
「あ、ごめんなさい。俺、マサっていうの。あなたの名前は?」

どういうことだ? と状況に首を傾げながらも答えた櫻井。

「櫻井っていいます」
「サクライ? サク?」
「え、櫻井……さくらと、い、です」
「サクラ?」

不思議そうにもう一人の顔を見たマサ。

「サトちゃん、どういうこと?」
「名前が違うんでしょ。マサが混乱させたみたいでごめんなさい。僕はサトっていいます」

サトは頭を掻くと、はは、と小さく笑った。

「僕もあなたたちのことを聞きたいんだけど……たぶん、サクライさん? はここのことを聞きたいよね。ここはね、ソルセルリーって惑星なの」
「ソルセルリー?」
「うん。魔法の惑星。サクライさんたち、別の惑星の人でしょ。空から落っこちてきたんだもん」

唖然とした櫻井。

魔法の惑星だなんて、聞いたことがない。

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作者名:翠霞チサ | 作成日時:2021年2月15日 22時

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