Le rêve de Mort【t.w.s.t.×食戟のソーマ】

・ ページ49

『簡単に言えば…潰した大豆に片栗粉を混ぜて色々味付けしてこのスープに入れただけ』



食事制限するといっても、少しくらいは満足感を味わってもらわないとね
…実は学園長のいたずら用に仕込んでおいたとは口が裂けても言えないけど



中身が分かると安心したのかヴィル君もようやくスプーンを動かしてくれて




「美味しい…
ミネストローネにしては…そこまでトマトがわからないわね」

『僕のいた所だとミネストローネってトマトのスープじゃないんだ』



日本じゃよくトマトのスープと思われがちだけど
イタリアのミネストローネの意味は“具だくさんのスープ”
昔はトマトを使ってなかった地域もあるらしい



『キャベツに人参、セロリ、ジャガイモ…は今回辞めたんだった、
トマト、カリフラワー、ポロネギ、グリーンピース、インゲン豆
後オリジナルでソイミートのミートボール

栄養も取れるし、胃が疲れた時にもピッタリ』




ゆっくりとスプーンを進める彼らの前で少しずつ説明を入れる
すると




「…なんちゃってというのはこのミートボールの事だけかい？」



とルーク君が聞いてきたから
少し笑いつつも、口を開く


『あー、今までさんざん語っといてあれなんだけど…
それ即席だから、あまりミネストローネとは言えないんだ』

「おや、」

「でも…具材はしっかり煮込まれたように柔らかいわ」

『そこはちょこちょこっとね』



思わぬ回答だったからなのか、少し二人とも驚いているように見える




『ブロードっていうすでに出来上がった出汁に野菜を加えてミネストローネっぽく仕上げた…いわゆる即席スープ

だからなんちゃって、ってつけたんだ』




今回この皿を作るときにかかった時間は野菜を柔らかくするひと手間と、
ブロードに入れた時にぶつからないように煮込んだ調整のみ
勿論ブロード自体も僕のルセットでゴーストに引いてもらったものだけどね

野菜を煮込むときに勿論フェヌグリークとか、クミンとか、今回限り特製のシーズニングスパイスを使ってるから

消化促進、滋養強壮など
なるべくヴィル君の要望通りに作れたと、思いたい




『以上！、このスープに関してはこれで全部かな』




一通り説明を終えると、




「温かい…ホントAさんが来てくれてよかったわ」

「噂に違わず見事な腕…ナイフを振るう姿は実に美しい！」

『ふふ…お口にあったようで何よりだよ』




ポムフィオーレ寮ってみんなこんなに綺麗な生徒多いのか
ヴィル君達限定なのか、
めちゃくちゃきれいな笑顔をもらいました

…喜んでくれてよかった

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