Le rêve de Mort【t.w.s.t.×食戟のソーマ】

・ ページ33

ｰｺﾞﾎﾟﾎﾟ



黒い水に完全に飲み込まれたからか、
耳は水に潜った時のようにゴポゴポ言っている



すると…



ｰA!



『(この声…なんで)』




何故か……いる筈のない、




ｰA君!




アキラと、潤さんの声が聞こえてきた







ｰﾊﾟｼｬｯ!






「お！、良い物が出ましたね！」






ーーーーーーー




『…魔法ってすごいですね』

「大丈夫か…?」

『学園長の魂貰えます？』

「刈らないでくださいよ！」

『冗談です…ふふ』




目の前が急に明るくなったと思えば、
変わらず先生方がいて



「まさか……鎌と、魂が出てくるとは…」



手には柄の部分が背丈に近い鎌を持ち
ふよふよと、僕の周りをゆっくり遊ぶ二つの魂が居た




『で、説明してもらえます?』

「先程のはまね妖精と言いましてｰ、」



学園長の説明曰く、
まね妖精ってのは魔法生物の一種で、取り憑いた相手の記憶を読み取り、それに合わせて様々な物に変化出来るらしい


さっき僕に襲いかかってきたのは記憶を見る為か、
びっくりした




「で！、先程A君に取り憑かせたのは…戦闘意欲の強いまね妖精でしたのでー、」

『鎌…いや、これ多分…時と場合で変わりますね』

「え？」



ｰﾊﾟｷﾝ!




多分僕の学園長に対する不信感を読み取ったのか…
黒い鎌から一瞬で結界のような物に変化し、学園長を閉じ込めてしまった




「ちょっとー！！」

「A君…解いてあげてくれ…」

『ストップストップ…ヤメテー』

「本音がバレてるぞ、番犬」



そのままでもいいかな、と思ったけど止めるよう言うと大人しくさっきの鎌の状態に戻る
…なんか可愛く見えてきた


すると、




「しかし…まね妖精の変化は一つだけの筈では?」

『え？そうなんですか？』

「あぁ、その魂の説明が今の俺には出来ない」




変化できる武器を手に入れた訳だけど、
もう一方…片手を出すと二つの魂は僕の掌にふよふよと収まる



『どこから来たの？』

『わ、…ごめんって！』



聞こうとしたこの質問にキレたのか、
怒ったように僕の周りをビュンビュン飛び回る魂達



『もしかして、僕の事知ってる？』


ｰﾎﾟﾝ､ﾎﾟﾝ


まるで当然だ！と言わんばかりに僕の掌で跳ね浮かぶ２つの魂


僕の記憶から化けた物だとして
さっきの声、まさか…



『潤さん、と、アキラ…？』



恐る恐る聞いたその答えに…
二つの魂は、嬉しそうに僕の両肩に乗ってきた


『そっか…』



もし本人達と繋がってたら、なんて思うけど
1人じゃないのは嬉しかった

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