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『ん、どうした?』
不安定な精神状態をなるべく悟られないように…と思ってアキラの方を向くと…
「お前、病院の結果は?」
『あ、そっちか…』
そこにはなんて事もないような顔をしたアキラがいて
正直ちょっと呆気にとられてしまう
すっかりさっきの話振られると思い込んでたからね
『いつもと同じ、原因不明だよ』
「そうか…」
『ま、僕の食事は香り!って感じ?』
「なんだそれ…フッ」
『間違った事言ってないだろ?』
そんなやりとりをしてからは先程の静寂が嘘みたいに
お互いが笑えるようになり、
そこから今度の講義や、提携企業の話をしつつ、汐見ゼミへと帰り道を進んでいると…
在学中によく星を見に来ていた、開けた場所の近くを通ったので、思わず立ち止まる
『ここに来るといつも落ち着いたんだよねぇ』
「お前のお気に入りの場所だからな」
『アキラだって選抜の時寝転んでた癖に』
その時…
ーサァァア
『あ、やば』
「何やってんだ」
『はいはい、ちょっと拾ってくるよ』
丁度ファイルに入れて持ってた書類が風で飛ばされてしまい、よく寝転んだ場所に足を踏み入れて、拾いに行った時だった
「……!?
A!!!!!」
滅多に聞かないアキラの叫ぶような声と
ービリビリ…バチッ!
雷みたいな音と
『!!!?……ガ……あ゛ッ』
僕を襲う、感電したような痛みと重さ
立っていられなくなり、思わず膝から倒れ込んでしまうと
「もー、私も暇じゃないんですよ!」
背後から、随分陽気な声が聞こえて来た
「何だアンタ!?」
「あ、ご心配なく。私こちらの世界のモノを回収しに来ただけなので、優しいでしょ」
「まさか、あの封筒の…!」
背後の不審者に向かって叫ぶアキラに対して、不審者の男はあっけらかんと答える
『(…!?)』
世界とか意味がわからないけど…、確実にわかるのは
『さ…い…きん、の…は!?』
「ええ、全く上手く溶け込んでるので判別に時間がかかりましたよ〜」
何か勘違いをしてる事だけだ
でも…
ーゴソリ
やっとの思いで首だけ回して確認すれば、近くまで来ていたアキラとの間に電流みたいなのが走っていて、
「A!!」
それが壁状に僕らを分断している
『う゛…(なんなんだコイツ!?)』
遠月のセキュリティなんてお構いなしに現れて、現実離れした力を持つ謎の不審者
「さ、帰りますよ!」
このままじゃヤバい…!
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blu (蒼)(プロフ) - ぷるさん» 『Benvenuto nel mio mondo(僕の世界へようこそ)…ってこれは怒られるか…あはは』 (2021年1月8日 21時) (レス) id: a91d8e524c (このIDを非表示/違反報告)
ぷる - 黒翔君のシリーズ?大好きです!これからもがんばってください! (2021年1月7日 17時) (レス) id: f025ecfe59 (このIDを非表示/違反報告)
blu (蒼)(プロフ) - ネコマタさんのちょびひげさん» 『ありがとう…楽しんでもらえると嬉しいな、farò del mio meglio(頑張るね)』 (2020年12月29日 10時) (レス) id: 2e5206d1d6 (このIDを非表示/違反報告)
ネコマタさんのちょびひげ - 初見からなんですけど、素敵な作品ですね!!応援してます( ゚Д゚)ゞ (2020年12月26日 16時) (レス) id: d3a88c7d37 (このIDを非表示/違反報告)
blu (蒼)(プロフ) - 悠羽さん» 『あれ、君もこっち来ちゃったの?…戻った時、一緒にあの人に怒られようね…笑』 (2020年11月18日 5時) (レス) id: 2e5206d1d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蒼 | 作成日時:2020年11月12日 8時