【名探偵コナン】ドS資産家は暴かれない【逆ハー】part2

48.その一言で十分だと笑う ページ50

ランカのパソコンに届いていた
差出人不明のメール

それを確認した瞬間

ランカはアメリカへと向かっていたー






アメリカ・マサチューセッツ

そこの高層ビルに住む1人の少年

ヒロキ・サワダは

パソコンを前にただ一心不乱に入力し続ける

それは、ヒロキが長年開発し続けていたプログラムが完成を間近としていたからだ



流れるニュースではヒロキの生い立ちが語られる

しかし、そんな事など気にも留めないヒロキは

ただ目の前のものを完成させるだけに尽力を注ぐ



全ては、あの人の力になれる自分を残す為に



もう、自分に残された時間は少ないのだ




エンターを押し、漸く完成させるヒロキ

安堵のため息を吐くが、後ろの監視カメラの存在に気持ちを引き締める

ヒ「…貴女なら…上手く使ってくれますよね…」

ノアズ・アークとかかれたプログラムを見つめ

ヒロキは疲れたように笑う





扉を固定して、邪魔されないように

ヒロキは覚悟を決めて外へ出る


高層ビルの屋上は、ヒロキが逃げられないために作られた箱庭の様なものだった

ヒ「………僕も、ノアズ・アークみたいに飛べるかな…」



靴を揃えて脱ぎ、へりに立ち尽くす




ヒ「…ランカさん…願わくば…貴女の未来を…もう少し僕が…お手伝いしたかったな」







『もう、手伝ってはくれないのか？』




落ちる筈の、その寸前で
隣から聞こえた声にヒロキは息を飲む


そこには、あのナイルブルーの瞳を美しく輝かせながらこちらを見つめているランカの姿があったのだ




ヒ「…な…んで…」

『君の友達からね、助けてって言われたんだよ…完成する前から君の力になろうとするなんて中々見どころあるじゃないか』

ライトの光から出ないように立ち上がるランカ

漆黒の服に包まれているせいで
その瞳以外は闇と同化していて目視しにくくなっていた



ヒ「…僕は、ここまでです。すみません…ランカさん」


諦めたように笑うヒロキに

ランカは手を差し伸べる


ヒ「…？」


『ヒロキ、俺と君は共犯者だ…なら、ここから飛び降りるなら…俺も手を取ろう』


ランカの強い言葉に、ヒロキが驚く

ヒ「な…なんで…！？これは僕の問題で…！」

珍しく声を荒げるヒロキに
ランカはしてやったり顔で笑う

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