【名探偵コナン】ドS資産家は暴かれない【逆ハー】part2

その2 ページ33

カツーン


錨の上がる音で騒がしい筈の空間に

その音は美しく響く



『俺が 逃すと思うか』



その声は、低く、艶のある声で響く


そして大きく、力強く、地を蹴ったー



それはまるで宙を飛んでいるような軽やかさで



しかし、アレクの顔を見たルパン3世は感じた


自身の首が殺気で絞められるような感覚を



ル「ーっ」



『そいつを…寄越せ！』


ルパン3世の隙の一瞬を突いて、指からビックジュエルを掠めとるアレク

ルパン3世は、自身の油断に
ビックジュエルを奪われて漸く気がつく


ル「なー」

『ルパン3世！中々悪くなかったぜ…いつでも俺に会いに来い。相手してやるよ』


そう言って笑うアレクは、ビックジュエルを見せつける

ルパン3世は自身の手元に何か紙が残されていたのに気づく

そこには、電話番号のみ記された何かで


ル「…しょうがねぇ、事前投資って事にしとくぜ。あばよ〜！！」


その言葉を最後に、ルパン3世はあっさりと退散してしまうのだった






ビックジュエルを懐にしまったアレクは
呆然と見つめる3人に振り返る


『さて…俺らも逃げるぞ』

ス「え！？」

バ「逃げるのですか？」

ラ「…」

『あんなに派手に退散されちゃ、警察の目にとまるだろ。時期にここにも踏み込まれる。下手に事情聴取受けるくらいならさっさと立ち去る方が楽だ』

そう言ってさっさと立ち去るアレクに
3人も慌ててついていく


こうして、変な大泥棒との縁を作りつつ

無事、ボスの依頼を完了させた4人は

そのままあっさりと日本へ帰国するのだったー





『…あぁ、分かった。じゃあな。ジン』


飛行機の中で、電話を終わらせると

アレクは3人に目を向ける


『これで、お前らは晴れて幹部だ。俺の手も離れる。好きにやれ』

用意されたワインを手に取ると、それを飲むアレク

3人はそれぞれ安心したように息を吐き出す


『それで…これは忠告だ。無茶はするなよ。出る杭は撃ち抜く気概のある奴が組織にはいるからなぁ…お前らが犬死されたら、俺の教育した時間が無駄になる』


それは、アレクなりのぶっきらぼうな激励で

それを漸く少し理解してきた3人は

目を合わせた後少しだけ笑うのだった

37.俺を欺こうなんざ 100年早い』→←36.『逃すと思うか』

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す