15、『美味しいよ』 ページ29
ランカ達が白ひげに潜入して１ヶ月が過ぎた
皆もランカに慣れてきて談笑する人も現れるくらいだ
そんな日々だが眠れない日というのはあるもので
寝ると熟睡するタイプのランカだが
不定期に寝付けない日というものがある
それが、たまたま今日だった
部屋を出て厨房へと向かう
『何か暖かいものでも飲むか…』
ふと、厨房にあかりがついているのに気がつく
そこに居たのはー
『…サッチ？』
サ「うおっ！？…あ、ランカか…どーした？」
どこか遠い目をしながら珈琲を飲むサッチだった
『寝付けなくてね…』
サ「だったら温かいもん容れてやるよ。待っとけ」
先程の表情はどこへやら
慣れた手つきでホットミルクを容れるサッチ
その向かいに座るとそれを待つ
サ「ほいよ」
コトン…と置かれたそれを受け取りランカはサッチを見る
『どうかしたのか』
サ「え…？」
『何か悩んだような顔をしていたからな…有難う』
ホットミルクを飲むランカ
サッチは呆然とそれを見る
『…何があった？』
それは、拒否権など無いような強さで
しかしどこか優しさを含んだ声色だった
暫くして、サッチは悩みの種をポロリと零す
サ「悩みって程じゃねーんだけど…俺、一応コック長やらせてもらってんだよ。んでほかのヤツらのフォローするのも嫌いじゃねぇし料理作るのは好きなんだけども…そういや、美味いって聞いてねぇな〜なんて…ふと、考える様になっちまった…美味いって思ってくれてんのは分かるぜ？…でも何か…我儘かもしんねーけど…偶にはなー…なんてな！ハハハ…」
情けなくなり、笑って誤魔化そうとするサッチ
しかし、目の前のランカの表情を見て笑みを止めた
ランカがあまりにも真剣にこちらを見ていたからだ
少し黙っていたランカは徐に口を開く
『…美味いぞ、お前の作る飯は』
サ「っ！…へへ///」
『家族うちで恥ずかしいだけだろ。あいつらだってそう思っている…そうだ。これからは俺が伝えてやろう』
サ「へ？」
『俺が食後、美味いと思ったら必ずお前に伝えに行く。自ずと周りもそれに気がつくだろう。』
サ「…そりゃ、嬉しいけど…」
『タダとは言わん。報酬はお前の作るデザートだ』
その台詞にサッチは目を見開く
サ「…俺がデザート作ってるってよくわかったな？」
『料理は個人で味付けが違うが、デザートだけはいつも安定していた。1人が全てになっていると丸分かりだ』
ランカはサッチの手を取り見つめる
サッチは赤くなる頬を抑えられずにいた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1001人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れんこん(プロフ) - なんでこんな良い作品に出会えなかったのか苦悩するばかりです！！どのキャラも最高ですし、主人公がもうどストライクです！最新話まで頑張って読みます！！！更新頑張ってくださいいい！ (2019年9月23日 17時) (
レス) id: 14f134c39b (このIDを非表示/違反報告)
滅月(プロフ) - …なんだかキルラキルの皐月様みたいだなぁ… (2019年5月29日 17時) (レス) id: 0b47fc3e16 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - オタクさん» コメントありがとうございます！返信が遅くなり申し訳ございません。そしてご指摘ありがとうございます！話の途中からは「」の前にキャラの名前の頭文字を入れるようにしております！これからもどうぞよろしくお願いします！ (2018年7月10日 14時) (レス) id: fb7eb0f65b (このIDを非表示/違反報告)
オタク - 少し読みづらいので、キャラがしゃべる前にキャラの名前入れたらどうでしょう？ (2017年12月14日 3時) (レス) id: 7bc9a154f5 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - 鈴屋さん» Google先生に聞いてきました！女の子が戦うなんて私好み過ぎまする…また読んでみます！有難うございます！ (2017年7月7日 1時) (レス) id: b3669d4d8c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カナタ
| 作成日時：2016年12月31日 14時
