サヨナラ初恋

2.気付いてからじゃ遅い ページ2

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気付いてからじゃ遅い


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そんな事私が一番分かっていたし分かっていたからこそ自分の馬鹿さ加減に泣けた。心が泣いた。


高校1年生の冬休み。
特にやる事のなかった私は朝からずーっとリビングにあるソファでゴロゴロ。
テレビじゃなく携帯で見る動画の方が捗るのは何故なんだろう。
テレビでだってそれは見れるのにテレビなんかよりも小さいこの画面の方が何故か落ち着く。

「A〜あんたいつまで寝てるの」
「あーうん」

お母さんの呼びかけにも適当に返事する。最近ハマっている韓国ドラマの中に私の意識はある。




「照くんは朝からオシャレして出掛けてたのに。ったくアンタとは大違い」

「へー」

「なんか、デートみたいよ？いいよねぇ青春って感じで。」

「…っいっっったい！！！」

突然、顔に降ってきた激痛にソファに顔を埋めた。

思いっきり携帯を顔面に落としたのだ。この痛みは何回か経験している。
その度に、もう二度とやるもんか、と気をつけていた。今だって真っ直ぐ仰向けになるんじゃなくてちょっと角度をつけて肘をソファに置いてバランスをとっていた。

…なのに、うぅ、めちゃくちゃ痛い。



「なぁに？A、知らなかったの？」

私は埋めていた顔を勢いよく上げてリビングのテーブルで肘をついて夕方のワイドショーを見るお母さんに照の所行ってくる！そう叫んで部屋着のまま家を飛び出した。


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