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「はよー。」
眠い目をこすりながら、ガチャとドアを開けると既に揃っている６人。
朝に弱い俺はいつも最後に楽屋入りする。
「おはよう」と次々と帰ってくる挨拶をよそに本に目を落としているアイツ。
そんな光景はもう何年目になるだろうか。
気にすることもなくなっていた。
「ミツ、最近ちゃんと眠れてる？今日も眠そうだけど」
置いてあるソファになだれ込むと、横尾さんが声をかけに来る。
いつもみんなのことを一歩離れて見ていて「○○○○の母」とまで言われるくらい。
「昨日、飯行っててさあ〜、大丈夫だよ」
少しちゃらけて答える俺に「もう〜ミツのことだから最後までいたんでしょ？まだ撮影まで時間あるから少し休みな？」と付け足しアイツの隣に戻っていく横尾さん。
「え！ミツ誰と飯行ってたの！俺には断ったくせに！！！！」
盗み聞きをしていたであろう二階堂がソファに駆け寄ってくる。
「あーお前、盗み聞きなんてタチ悪いな」
水を飲もうとしている俺に、さらに二階堂が続けた。
「だって、俺との飯断るなんてあんまないじゃん！！！あー！！もしかして彼女できた！？」
思いもしない言葉に飲みかけていた水をブッと吐き出しそうになる。
「あ〜〜〜！！！！図星だ！！！！千賀〜〜ミツが俺たちのことを見捨てたぞ！！！」
なんて楽屋には大きすぎる声で叫ぶ。
「ミツ、マジ？？」
朝から熱心に携帯ゲームにハマっているタマまでもが顔を上げて俺を見る。
「ちげえよ！」とその４文字を返せばいいだけなのに、
タマの奥から感じる久しぶりのアイツの視線に言葉がうまく紡げなかった。
少しの沈黙を破ったのは他の誰でもなく、アイツだった。
何か思いつめたような顔をして席を立っては楽屋から出て行った。
「・・・・」
二階堂と千賀が今までと打って変わって小さく話してはくすくすと笑っていた。
ガヤって意外とわかりやすくない？
なんて言っているのは俺の耳に届くはずもなく
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作者名：妖狐 | 作成日時：2019年10月19日 0時
