すなお (桃赤) (ページ8)

今日:37 hit、昨日:29 hit、合計:107,066 hit

08 ページ8

(望side)

.

.

青「ったく、いつまでそうしてるん？」

桃『…いつまででもええやん。ほっといてや』

放課後、声をかけてくれた流星にわかりやすく八つ当たりしてまう

青「…帰るで。ほら。」

腕を引かれて教室を後にする

ほんまなら一緒に帰りませんか、って重岡先輩に言うつもりやった

シュミレーションやって昨日の夜からやっとってばっちりのはずやってん

やけど現実はそう甘くいかへんかった

お昼休み、どんなに先輩に話しかけても笑顔を見ることはおろか、目が合うことすらなかった

会話やってほとんど続かへんかった

桃『何がダメやったんやろ…』

泣きそう、とかやなくてただただ胸が苦しい

なんやら、張り裂けそうなぐらい

青「…別に望のことが嫌いなわけやないんとちゃう？」

桃『濱ちゃんとか、流星とかとはちゃんと話しとるやんか』

青「…そんなことあらへんとちゃう？
ほら、濱ちゃんも言うとったやん、しげはシャイやからって」

桃『…そうやけど』

そうやけどほんまにシャイなだけなん？

俺知ってんで、あの空気に耐えられなくなって自販機に飲み物買いに行って戻ってきたとき流星と重岡先輩が楽しそうに話とったの

青「…望は重岡先輩のこと好きなん？」

桃『っ！』

青「俺別に偏見とかないで」

桃『…せやったらなに』

青「俺にできることあれば言うてな。
その…協力するから。」

桃『…ん。』

流星やったら大丈夫、なんかわからへんけどそんな気がしてありがとうの気持ちを込めて流星の肩を叩いた

流星の力をかりて重岡先輩との距離が少しでも縮まればええな