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▶︎without you. ページ28

 

 

不審な手紙が届いてから2週間程が経った。


マネージャーに連絡して、念のため警察に相談することになった。
近くの警察署に相談に行くとまだ実害があるわけじゃないから被害届は出せないけど、巡回を強化してもらえることになった。


正直ストーカー被害に遭ってる実感はなくて、イタズラの可能性もあるし、この対応で充分だと思った。

ただ警察からは「この手紙を書いた人が、一緒にいた男性のことを敵視している可能性がある。些細なキッカケであなたにも、この男性に被害がいくこともあり得る」と言われてしまって、少しだけ怖くなった。

(この手紙があの日の当日中に書かれてたなら、加賀美さんのことだろうけど・・・)




「じゃ、気をつけてね」

『はい、ありがとうございました』


今日は警察で相談した結果を事務所に報告しに来た。


そこまで大事ではなさそうだし、周りの人に迷惑は掛けたくなくて、今回のことはマネージャーと事務所スタッフだけに留めてもらうようにお願いした。


もちろん、加賀美さんにこのことを言うつもりはなかった。






 





「お、Aちゃんじゃーん」

『湊くん!』

「なんか久しぶりやね、元気だった?」

『あ〜、はい、それなりに』

「? なんかあったん?」

『・・・実は、ここ1週間ぐらいちゃんと眠れてなくて』

「え、そうなんや。忙しくて寝る時間取られへんってこと?」

『まぁ、そうですね..フェスの準備物がいっぱいで』

「あ、そか。映像いくつか担当しとるんやったな」



あの手紙の影響もあるけど、フェス用の映像製作で睡眠時間が削られているのも事実。これは嘘じゃない、そう嘘じゃないんだ。


「確かにちょっとお疲れ気味やね。ちゃんと寝るんやで」

『湊くん、それ人のこと言えます?湊くんもしっかり寝てください!』

「にゃはは、せやな〜」



「で、最近社長とどう?」

『え?どう・・・って?』

「ん〜?最近な、社長がたーまにAちゃんの話しとるから、どうなったんかなーと思って」

『ど、どうにもなってない、です』

「へぇ、そうなんや、ふ〜ん・・」

『え、な、何ですか』

「顔赤くしてどうにもなってないって言われてもな〜!説得力あらへんなあ笑」

『か、からかうのやめてくださいよ〜』

「ははは、ごめんなぁ。まあ、何かあったら俺でもええし社長でもええし!ちゃんと頼るんやで」

『・・・うん、ありがとうございます』

「ほんじゃね」
 
 

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作者名: | 作成日時:2022年9月23日 18時

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