Ｊ＊クリニック

初潮＊山田 ページ18

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〜 side 涼介 〜





「じゃあ、なんかあったら呼んで。
　トイレ行く時にナプキン取り替えろよ」

『 …… 』


すると、俺の服の裾を掴んで離さないA。


「なんだよ」


いつもは圭人にべったりで、
一応担当である俺や伊野ちゃんにはあまり懐かないクセに。


『行っちゃやだ…』

「やだっつわれても…」

『山田く……』


不安、なのかな。


「そろそろ夕飯だろ？
　お前、朝も昼もろくに食べてないだろ」

『だって……怖くて…』

「夕飯は部屋に持って来てやるから、少しでも食べろよ」

『…山田くんは？』

「俺もう交代なんですけど」

『 …… 』

「わーかったって。
　とりあえず夕飯持って来るから離せって」

『やっ……』



Aの昔のカルテで、
一時期、藤ヶ谷先輩から離れなくて藤ヶ谷先輩が約一ヶ月クリニックに泊まり込んだって記録があったけど……

こりゃ、離れらんないのもわかるわ(苦笑)



仕方なく、
夕飯は圭人に部屋まで持って来てもらって……


圭人には先に上がれって言って、俺はAに夕飯を食べさせる。


夕飯はAの好きなカレーだったけど、やっぱりあんまり食べなかった。




さて、どうしたもんか……




19時。


俺もそろそろ夜勤組に申し送りして交代しなければならない。


今日の夜勤は誰だったかな……

俺と圭人が日勤ってことは伊野ちゃんと…



「…A、」

『なぁに…』

「俺さぁ、今日日勤じゃん」

『うん』

「だから、夜勤組に申し送りして来なきゃ」

『うん…』

「…眠れないなら安定剤と睡眠薬もらってこよっか？」

『…うん…』



お、珍しい。

いつもは薬増えるの嫌がるのに……

でもそんだけ不安だってことだよな…



「んじゃ、滝沢先生と相葉先生に相談してくっから」

『うん…ねぇ、滝沢先生に言う……？』

「…生理始まったこと？」

『…うん』

「そりゃあ、一応伝えないと…薬との関係とかもあるし」

『 …… 』

「なんで、やなの？」

『…なんか、やだ』



そりゃ、男の先生に知られるの嫌だよなぁ…

でもうち、基本的に男の先生しかいないし…



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