Ｊ＊クリニック

就寝＊藤ヶ谷 ページ14

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『たいちゃんと寝るの久しぶりだねっ！』


夕飯も終わり、部屋に戻るとAはにこにこ機嫌良さげ。


「そうだねー。Aが小さい頃はよく一緒に寝たよね」



そう。

俺はAが小さい頃から見てるけど、
小さい頃から神経質だったAは夜寝てくれなくて本当に大変だった。


朝食から夕飯までは俺が面倒みて、そこから夜勤のメンバーと交代するんだけど……


20時の消灯時間にAがおとなしく寝たことはほとんどない。


朝、俺が行くと疲れきった夜勤のメンバーとその腕でうとうととギャン泣きを繰り返すA。


睡眠時間が取れなくてヤバイってことで俺が夜勤に入れば、今度は昼間俺がいないからって一日中機嫌が悪くてご飯を食べてくれないっていう負のループ。


そこで仕方なく、
Aの夕飯後、夜勤と交代したあとにAの部屋に泊まるって日々が続いた。

最初はAを寝かし付けてから帰ってたけど、数時間で目を覚ましては大泣き…


だから着替えを持ち込んで、仮眠室のシャワーを使って……

一ヶ月くらいクリニックに泊まり込んでたなぁ(笑)

みんなには同情されてたけど、俺としては、
Aは俺と一緒なら寝るし、日中は俺がいるから機嫌もいいし、俺もAも睡眠時間取れるしでそんなに辛くなかったけど。

今となってはいい思い出。



Aがその頃に俺が寝間着に使ってたスウェットの上下を出してきた。


「え、うっそ、まだあったんだ…」

『んふふ〜』

「俺着ていいの？」

『たいちゃんのだもん』

「ありがとー」


順番にAの部屋のシャワーに入って。

Aの髪をドライヤーで乾かしてやったり。

昔に戻ったみたいで懐かしい。


二人でAのベッドに潜り込んで。

懐かしい思い出話に花を咲かせて。

Aは俺の腕の中で眠ってしまった。


……Aも高校生か……

大きくなったよなぁ…



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