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セフンオッパが、悲しそうな顔で私を見つめる。
泣き止まきゃ。
だって今の私、絶対酷い顔をしてるに決まってる。
それなのに、また一つポロリと溢れ落ちる粒。
『…っ、あ、なっん、でもない……っ』
振り絞った言葉は、掠れていた。
セフンオッパは眉を下げると優しく微笑みながら、
ベクとはまた違った男らしい骨張った指が、私の目元を拭った。
そして、優しくて、暖かい声色で
「Aちゃん、何があったか分からないけど…辛くなったら気が済むまで泣いていいんだよ?」
そう言った。
私の中で何かがプツンと切れて、目元に集まった水分たちは再び流れ始めた。
その時、ふわっと暖かいものに包まれた。
セフンオッパが、抱きしめてくれていると分かるのはそう時間はかからなかった。
そして、優しくお母さんが子供をあやすようなテンポで背中を叩いてくれる。
時には、頭を撫でてくれて。
私は、セフンオッパの胸の中でただひたすら泣いた。
.
泣き疲れたのか、私の涙はやっと止まってくれた。
セフンオッパから離れると初めて、私の涙でセフンオッパのパジャマはぐちゃぐちゃに濡れていることに気付く。
『…セフンオッパ、パジャマごめんなさい…』
「えっ?ああ、これくらい平気だから気にしないで?」
どこまで、セフンオッパは優しいんだろう。
「ここ寒いから早く部屋戻ろうか?」
縦に頷くことしか出来なかった。
.
『セフンオッパ、本当にありがとう。パジャマ本当に、ごめんなさい。』
「気にしないで、もし俺に話せることがあったら、何でも言ってね?」
そう言って頭をポンポンと撫でると、"おやすみ"と言って病室に戻っていった。
.
ベットに入って、を瞑るとさっきの出来事がフラッシュバックしてくる。
─「ベク、こっちに戻ってきてほしいの…」
─「関係ないけどさ…ベクがナウンちゃんのこと引きずってるのかなって思って…。」
─「ごめん、話しかけないでくんない?今お前と話したくない」
.
ねぇ、ベク
ベクの中に私はいたかな?
私捨てられちゃうのかな?
そんな不安の中私は、眠りについた。
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玲仁(プロフ) - 北国さん» 北国さん…!そうなんですか、残念です(:_;)でもでも、コメントありがとうございます(*´ω`*)すっごい嬉しいです!が、がんばりまーす笑私も、もっと お話したいです(((o(*゚▽゚*)o))) (2016年2月19日 16時) (レス) id: 7838c0735b (このIDを非表示/違反報告)
北国(プロフ) - ツイッター消しちゃいました北国です申し訳ない( ; ; )本当にすきですこの作品!以降めんどくさいし大変ですよね( ; ; )あ、誤字移行です!頑張ってくださいな!!ニコ またお話ししたいですー! (2016年2月18日 23時) (レス) id: 453ee14f6f (このIDを非表示/違反報告)
玲仁(プロフ) - ゆうあさん» 返信遅くなってごめんなさい(/_;)嬉しいお言葉ありがとうございます(*´ω`*)相変わらずのろま更新ですが、完結させますので最後までよろしくお願いします┏○ペコッ (2016年2月17日 17時) (レス) id: 0aa6e05aef (このIDを非表示/違反報告)
ゆうあ(プロフ) - このお話ほんとにおもしろくて大好きです!これからも更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2016年2月8日 17時) (レス) id: 1d6f6580f2 (このIDを非表示/違反報告)
玲仁(プロフ) - 再レスありがとうございます(;_;)なかなか更新遅くてごめんなさい(T_T)ありがとうございま*もう少し続く予定なので最後までよろしくお願いします(*´ω`*) (2016年2月7日 23時) (レス) id: 0aa6e05aef (このIDを非表示/違反報告)
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