励まされる ページ40
翌日。
朝から食欲がないニノ。
今はもう昼。
智の話が頭のなかをぐるぐるして、気が気じゃない。
あんな状態のままドナーを待つなんて、酷すぎる。
ニノ「はぁ・・・」
思わずため息をつく。
しばらくボーッとしてると、看護師が昼食を運んできた。
看「二宮君、しっかり食べてね。」
ニノ「へぇ〜い」
気のない返事をして、またひとつため息をつく。
ｶﾗｶﾗ
翔「ニノ？起きてる？」
ニノ「ん、この声・・・」
体を起こす。
翔「来ちゃった！」
ニノ「翔ちゃん、一人で来たの？」
翔「うん、車椅子の練習も兼ねてね。
まぁ電動だからそんな難しくはないんだけど。」
ﾊﾊﾊと笑う翔。
ニノ「もう熱は下がったの？腕はどう？」
翔「うん。痛み止も打ってるし、大丈夫だよ。
それに俺、回復力だけはすごいんだよね♪」
楽しそうな翔につられて笑う。
翔「食事これからなの？ニノにしては遅いね？」
ニノ「あ、いや、うん。ちょっと、考え事してた。
そしたら、持ってきてくれちゃったのよ。」
翔「考え事？あんま一人で抱え込むなよ？」
ニノ「ん、ありがと。」
翔「食べるとこ見ててあげるぅ〜」
ニノ「え！恥ずかしいわっ」
ふざけて話す翔。
翔が元気そうでホッとするニノ。
いつまでも落ち込んでいられない。
ニノ「じゃあ、食べるんでなんか面白い話してください。」
翔「え！」
目をまん丸にして驚く翔。
翔「俺そーゆうの苦手だもぉん・・・」
情けない声を出す。
ニノ「ﾝﾌﾌ、冗談です。」
翔「ニノって笑った顔もかわいいよなぁ」
ニノ「ﾌﾞｯ急に何言うんですかっ こぼすでしょ！」
翔「だってそーなんだもーん」
ニノ「あ、あのね、翔ちゃんこそかなり可愛いですからね？！」
翔「ﾊﾊﾊﾊﾊｯ俺ら誰目線なんだろ」
楽しそうな翔に、心底和む。
翔「食べたら、智君とこいかね？」
ニノ「あ、いや、俺は・・・」
翔「え？行かないの？ニノ調子悪い？」
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作者名：天の子 | 作成日時：2019年7月14日 14時
