ニノと翔の出会い ページ13
看「二宮君ありがとう。もういいから、お部屋戻ってね」
去っていく看護師と青年。
ニノ「いやだねぇ〜」
誰にも聞こえない声のボリュームで呟くように言い放つ。
二人のベンチへ向かい、智が戻るのを待つことにした。
ニノ「早く、帰ってきて・・・」
智が隣にいないというだけで泣きそうになる。
ニノ「俺、どんだけ智のこと好きなのよ・・・」
天井を見上げる。
ニノ「あーあ」
落ち着かない気持ちをどうにか紛らわせたくて
立ち上がり、また来た道を戻る。
智の部屋と、自分の部屋を通りすぎ、
看護師が呼んでた「さくらい」の文字を探す。
ニノ「お、あった。なんだ、隣の大部屋じゃない。
501ね〜、奥だから初めて来るわ・・・」
そーっと覗くと
一番奥に杖が立て掛けてあるのが見えた。
ニノ「あそこ・・・かな？」
ソロっと部屋へ入る。
青年「ｲﾃﾃﾃ・・・」
寝返りを打とうとしている彼と目が合う。
ニノ「あ。」
青年「あ〜、さっきはどうも。おかげで助かりました。」
ニノ「大丈夫？あ、俺、隣の部屋の二宮。」
青年「櫻井翔です。」
ニコッと笑うと最高に可愛くなる青年の顔。
青年「翔でいいよ。
今年25なんだ。」
ニノ「あ、俺は23。
翔ちゃんて呼んでもいい？」
翔「え、いいけど、初めて呼ばれるかもなぁ〜」
照れたように笑う。
ニノ「俺は、ニノって呼ばれることが多いかな。カズでもいいよ。」
翔「じゃあ、ニノね。」
また可愛く笑う。
なんだよその顔、ずりぃよ・・・
ニノ「あのさ、足どーしたの？」
翔「あぁ、骨の病気で。」
ニノ「そーなんだ・・・まだ痛い？」
翔「痛み止め打ってもらったから、そのうち治まるよ。
ありがと。
ニノはなんで入院してるの？何か病気？」
ニノ「あ、俺はちょっと、内臓系。」
高めな声のニノに対し、
低めの良い声で返事をする翔。
翔「そっか・・・大変なんだ」
ニノ「でも、智の方が・・・」
翔「智って？」
ニノ「あ、友達。
さっき、手術室運ばれてった・・・」
翔「え・・・？」
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作者名：天の子 | 作成日時：2019年7月14日 14時
