午前0時、アメリカーノに (ページ41)

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寧ろありすぎたページ41

「キモ。」

『え？』

「顔、ずっとニヤニヤしてる。」

『そうかな？』

「そうだから言ってんだよ。」

ここ数日、ずっとこんな感じなのだ。
ニヤニヤせずにはいられない。ミンギュと付き合っているのだから。
こんなにも世界が明るく見えるとは。一体いつぶりだろう。何をするにも足取りが軽い。

「何かあった？」

『別に。』

「ふーん…あ、来月には秋物の撮影始めるからコレクションの中から選べって。SEVENTEENの人たちにも連絡入れなきゃだし。」

『そっか、8月中には終わらせないとだもんね。』

「俺向こうのマネージャーと連絡とるから、先にプレスルーム行ってて。」

『うん。』

テヨンが知ったらどんな顔をするんだろう。
きっと怒って直ぐに別れろって言うに違いない。祝福してくれるはずがない。
面倒なだけだ、知られるまでは黙っておこう。

「セクシュアリティな質問で悪いんだけど、お前彼氏できた？」

『え』

その必要はなかったようだ。
2人でプレスルームで作業している最中、テヨンがハンガーラックを移動させながら聞いてきた。

「違うなら否定してほしいんだけど。」

『いや、えっと……』

「そうなんじゃん。どこの人？」

SEVENTEENのキム・ミンギュさんです。なんて言えるわけないでしょう。
どうしよう、なんて答えれば正解なの。えっと……

『テヨンの知らない人だよ！』

「ふーん、じゃあ今度紹介してね。」

『なんでよ。』

「なんでも。」

ク・テヨン、全くよくわからない男だ。

「次は……ミンハオさんの衣装だ。前見てて思ったけどスラッとしてるから、タイトなのも似合うよな。」

『このタートルネックは？』

「いいじゃん、色はデザイナーから使うならバーガンディにしろって指定されてるからこれで…パンツは…」

『待ってて、さっきあっちにいいのあった！』

「ん…なあ、ミンギュさんは良かったの？」

『はあ！？』

「だってあんなに何度もコソコソ話すほど親密だったのに、進展なかったわけ？」

ないというよりも寧ろありすぎた。それもミンギュだけでなくジョンハンともだ。
というか、テヨンはあれほどダメダメ言っていたくせに何でそんなこと聞いてくるのか意味がわからない。

「なんてね。ほら、次決めよう。」

『…うん。』

そして、テヨンからはぐらかすようにしてこの話題は終了した。