午前0時、アメリカーノに (ページ5)

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特別な夜はページ5

それから数時間。
ミンギュも自分のことをたくさん話してくれる。

妹がいること、仲のいいウォヌって人と最近喧嘩したこと。活動が落ち着いた後、みんなと遊園地に遊びに行ったこと。そこまで歳が離れているわけじゃないけれど彼はまだ年頃だし、きっともっと遊びたいだろうな…

MG｢ねえ、そういえばAヌナの働いてる
ブランドって有名なところでしょ？俺が表紙やった雑誌とよく特集組んでるよね？｣

『うん、私はそこの担当じゃなかったけど。』

MG｢そうなの！？あ、ねえ！ヌナは俺が表紙の雑誌見てくれた！？｣

『え？あー…私、忙しくてまだ見てないの。』

なんていうのは嘘。
本当は広告を見たあの日、仕事終わりに本屋に直行した。恥ずかしいから言わないけど。

MG｢ええー！見てよ！俺、あの撮影めっちゃ頑張ったんだよ？｣

『そ、そっか。』

MG｢"色気だせ～！"って言われたから、ほかの雑誌とかみてたくさん勉強したし。｣

『へえ…。』

MG｢だから絶対見て！｣

『わかったわかった。』

そうやってミンギュと話していると時間はあっという間に過ぎていった。あの日と同じ、午前0時になっていた。

『そろそろ帰らなきゃ。』

MG｢そうだね！送って行くよ。｣

『ダメだよ。仮にもミンギュは…』

MG｢この時間ならもう、夜道は誰もいないよ。｣

そう言って私の手を握って連れ出した。

MG｢もう外も暖かいね～。｣

『そうだね！五月の頭だし。』

MG｢……。｣

『…。』

ちょっとだけぎこちない。
半ば無理やり連れ出されたものの、内心すごく嬉しい。
なんて言えないし…。何か話さなきゃ。

『…表情管理。』

MG｢…え？｣

『あのね、私SEVENTEENのこと名前しか知らなくて。だから、この間初めて曲聞いたの…。』

MG｢どうだった？｣

『すごくかっこいい！全部良かったけど、私表情管理が一番好き！』

MG｢本当に？嬉しい！！｣

『すごいね。ファンの前であんな堂々として歌えるなんて。』

MG｢そうかな？俺よりもすごい人はもっと沢山いるよ？｣

カフェを出ても話は尽きることなくて、帰り道がとっても短く感じた。
そうこしてるうちにマンションについた。

『それじゃあ私、ここだから。』

MG｢ヌナ、ここに住んでるの？｣

『うん、ここの3階。』

MG｢そっか。明日は？｣

『休み！』

MG｢じゃあゆっくり休むんだよ。｣

『ミンギュこそ！』

MG｢…おやすみ。｣

『おやすみ。』

特別な夜は、あっという間に終わった。