午前0時、アメリカーノに (ページ40)

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普通じゃないページ40

『今なんて…いや、なんで謝るの？』

「だって俺に好きなんて言われたらきっと迷惑だろうって…ほら、俺の職業上…。それにもし仮に、その…付き合えたとしても…。」

ミンギュは、私に普通を与えたかったんだと思った。普通のお付き合いをして、普通のデートをして、普通に手を繋いでキスをして。
でも彼の場合、それが簡単にできないのだ。ミンギュは普通じゃないから。職業上。

『でも、謝るのはちがうでしょ。』

「え？」

『別に謝らなくたっていいのに。これっぽっちも迷惑じゃあないよ。嬉しい。』

「てことは。」

『無理にじゃなくて、お互いのペースでいいと思……わっ！ちょっと！』

了承する最中、私も好きだと伝えようとした途中でミンギュは私を強く抱き締めた。相当嬉しいのか、力む彼の腕に圧迫されそうな程強く。
私も彼同様この上なく幸せで、今すぐにでも叫べそうな勢いだった。ようやく彼の気持ちを知ることが出来たのだから。

「あのね、ずっと思ってたんだけど俺たちよく入れ違うから、会う日を決められたらな～と思うんだけど…。」

『そうだね。』

ミンギュは1度スマートフォンを開いてスケジュールを確認した。

「カムバ、まだ明確には決まってないから…今のところ火曜日ならどの週も空いてる。」

『わかった。私も毎週火曜日は空けておく。』

「じゃあ火曜日の午前0時、必ず会いに来てね。」

『うん、約束する。』

こうして、私たちの秘密の付き合いが始まった。