午前0時、アメリカーノに (ページ32)

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好きだよページ32

「ミンギュがどうかした？」

『…この間のこと。もしかしたらミンギュは芸能人と一般人が付き合うことなんてありえないって、私に迷惑かけると思ってくれてたのかな……なんて。』

ジョンハンの顔が一気に強ばって見えた。
あ、私確実にまずいこと言った…

「そんなふうに思うことができるなんて、Aは本当におめでたいね。そういうの嫌いじゃないよ。でもあいつはそんなこと思ってないよ。本当に、ただのバカなんだもん。…あーあ、俺好きな人の前で誰かの悪口言いたくないのになー。Aがそうさせるんだもんな。」

『え？えっと、あの…』

「ははっ、ごめんごめん冗談だよ。ただ悔しいな～って。結局、どんなに頑張ってもAの頭ん中にはミンギュがいるんだよな。」

それ以上何も言えなかった。
そうだ、その通りだ。私はジョンハンと何かある度に"ミンギュだったら"、"ミンギュなら"って考えていたんだ。

それからというものの、私たちはただ黙ってお茶をして、ぎこちない雰囲気になってしまった。

「帰ろっか。」

『うん。』

そうしてカフェを出て少し歩いた先の、分かれ道でジョンハンが急に立ち止まった。

「A、肩になんかついてる。」

『え？どこ？』

「ほらそこ…じっとして。」

とってくれるのかなと思っていたのに、ジョンハンはふいに私を抱き寄せた。
今度は肩じゃなくて、背中に手が回っている。いわばハグだ。
綺麗な顔しているのに、やっぱり体は私よりも一回りも大きくて、あの時と同じで微かに甘い匂いがした。

「俺じゃだめ？俺じゃドキドキしないの？」

いきなりすぎて思考回路がとち狂いそうだった。
こんな、アイドル様と…こんな…
耳元でそんなこと囁かれたら…

「Aのこと、好きだよ。」

ドキドキしないわけがないじゃん。