午前0時、アメリカーノに (ページ17)

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今度はいつページ17

ミンハオさんに平気と余裕こいたフリをしてから早1時間、緊張感と熱のだるさが混ざって体調の悪さがピークに達していた。
もう少しすれば撮影が終わる。そしたら挨拶と衣装の整理…。誰もいないプレスルームの壁にもたれかかってやることを頭の中で整理した。

撮影、挨拶、衣装の整理。撮影、挨拶衣装の整理。撮影、挨拶…

TY「何してんだよ。」

気付かぬうちにテヨンが私の目の前に立ちはだかっていた。
鬼の形相、仁王立ちで腕を組んでいる。デジャブだ…。

TY「ミンハオさんから聞いたぞ。お前は本当に…馬鹿なの？」

聞いたって、もしかしてジョンハンさんから連絡先書いてあるレシートを渡されたこと？

TY「熱があるのに無理して頑張ろうとしてんじゃねえよ、辛いなら休め！いや帰れ！飯食って寝ろ！」

『え』

TY「どうりで今日は、やけにあたふたしてると思ったら…あー本当にお前ってやつは！」

『…あ。』

壁にもたれて座り込んでいた私を見たテヨンは動けないのだと思い込んだのか、"アー！チンチャ！"と連呼しながらてきぱきと私の荷物をまとめていた。

TY「ほら！荷物これだろ。」

『…ごめんなさい。私、テヨンに迷惑かけちゃうと思って…。』

TY「お前ってやつは本当にそういうところだよ。本当に馬鹿だなあ…。もうすぐ撮影も終わりそうだし、あとは俺一人で大丈夫だから！今日はもう帰れ。」

『でも…』

TY「大丈夫、他の人にもちゃんと伝えておくから。…今日までずっとドタバタしてたもんな。疲れが出たんだよ。明日は日曜日だし、ゆっくり休みな。」

『本当に平気？』

TY「ああ。」

『…テヨン、本当にありがとう。』

TY「いつでも頼んな。あ、タクシー呼ばなあかんな。」

結局言いくるめられ、あっけなく自宅に帰らされてしまった。
肉体的な苦痛からは解放されるというものの、自己管理が全然出来ていない悔しさと最後にミンギュに会えなかった悲しさ、そんな精神的苦痛に少し追い詰められた。

今度他のスタッフさんに謝りに行かないとだ。それに、今度ミンギュに会った時は説明しなきゃ……でも私たち、今度はいつ会えるのだろう。